研究概要Research Projects
不斉シクロプロパン化およびアジリジン化反応
ジアゾカルボニル化合物を金属錯体を触媒として分解すると、カルベノイドという化学種が生成することが知られています。金属錯体としてキラルな配位子と金属塩から調製した錯体を用いるとキラルなカルベノイドの生成が考えられ、これを反応させることによりキラルな化合物の生成が期待されます。実際、1960 年頃からオレフィン類との反応による不斉シクロプロパン化反応についての研究が行われ、高い立体選択性を示す触媒が開発されて来ました。最近、我々も新規開発したキラルなビナフチルジイミン配位子と一価の銅錯体を触媒として不斉シクロプロパン化を行うとエナンチオ選択的に生成物が得られることを見出しました。特に、1,1-ジアリールオレフィンにおいては、極めて高いエナンチオ選択が得られます。また、同じ触媒を用いるアジリジン化反応においても、芳香環と電子吸引基がトランス位に配置したオレフィンのアジリジン化では、極めて高いエナンチオ選択性が得られます。
