各学科のアドミッションポリシー
機械システム工学科 | 電気電子工学科 | 土木工学科 |
建築学科 | 物質工学科 | 情報工学科 |
環境機能工学科 |
機械システム工学科
今日までの日本の科学技術は、高品質の工業製品を大量に、かつ効率的に生産することに成功し、精密機械工業、電気電子機器産業、自動車産業などを中心として、世界に誇る発展を遂げてきました。
しかしこれからは、既存の枠組みを超えた高度な技術を駆使し、機械・エレクトロニクス・情報通信などの複数のフィールドからなる複合的な技術を一つのシステムとして統合した、より付加価値の高い製品を創り出すことが求められています。そのための基礎から最先端に至る科学技術を支える中心的学問のひとつが機械工学です。
信州大学工学部機械システム工学科は、機械工学分野の教育と研究を行うことを目的とし、豊かな創造力や高度な研究開発能力の養成を目指したカリキュラムを用意して、基礎から応用までをしっかりと学べる教育プログラムを提供しています。また"日本のシリコンバレー"と呼ばれる信州の電子機器産業、精密機械工業との強い連携を保ちながら、機械工学に限らず様々な科学技術・工学分野において先進的研究を推進しており、その成果は国内外で高い評価を得ています。
以上のような観点から、本学科では以下のような人たち求めています。
- 科学技術、工学、ものづくりに対する情熱を常に失わず、実験や実習、講義、さらには研究に積極的に参加して行動できる人
- 機械工学に関わる技術者、研究者として社会をリードするとともに、その技術と知識をもって社会に貢献したいという強い意欲を持つ人
- 科学技術・工学の発展が社会にもたらすメリットとデメリットを十分に理解し、社会および自然環境に配慮した「人にやさしいものづくり」を目指す人
- 優れた技術力・知識を生かして、日本国内のみならず、国際的なフィールドでその能力を発揮できる技術者・研究者を目指す人
電気電子工学科
電気電子工学は身近なパソコンやテレビ、スマートフォン、電気自動車、太陽電池、長寿命バッテリーなどを製造するための基礎学問として今日の科学技術文明の中核を担っています。また、新エネルギー・省エネルギー技術やそれらを支える情報通信技術など、人と環境に優しい安全な社会と高度な社会を両立するためには電気電子工学は欠かせません。
電気電子工学科は、これらの中核を支える技術者を育てます。エネルギー分野として、現代社会を支える基盤となっている電気エネルギーの高効率利用に向けた発電・送電・変電・配電や運用・制御の両面について学びます。またエレクトロニクス分野として、ダイオード、トランジスタといった半導体素子及び、電子回路を中心とした電子工学の基礎を電子、原子、光子のレベルから、材料、回路・デバイス、そしてシステムまで省エネの視点も含めて幅広く学びます.さらに情報通信の分野として、スマートフォンやインターネットに代表される通信技術及びビッグデータ時代を支える情報処理についても学びます。
電気電子工学科は上で述べた学問分野をエレクトロニクス系、エネルギー系、情報通信系の3分野に系統立てて構成し、学生の目標に応じて専門的な知識や能力を養えるように配慮しています。3分野を満遍なく学習する事によって、従来からの技術分野をカバーできることは勿論、新しい時代の要請にも積極的に対処できる創造性豊かな人材の育成が可能になると考えています。
電気電子工学科では、高度情報化社会の中で社会の発展のために先導的に活躍できる人、色々な分野に柔軟に対応できる能力を持つ人を養成することを目指しています。
そのために次のような学生を求めます。
- 将来、電気電子の分野を職業にしたいと意欲に燃え、その目標に向かって行動できる人
- 電気電子の先端研究に興味を覚え、自分でもやって見たいという意欲を持っている人
- 自分でプログラムを考えたり、電子工作が好きな人
- 向上心があり、自ら考え、自ら行動することができる人
土木工学科
土木工学とは、私たちが安全で快適に暮らせる生活環境を創り出すための学問です。信州大学工学部土木工学科では、災害に強い社会環境を整備するための社会基盤分野、自然環境と調和し共生を目指すための環境防災分野、快適に暮らせるまちをデザインするための地域計画分野を三本の柱として、21世紀の新しい土木工学を目指し総合的・実践的に教育・研究します。
社会基盤分野では、道路・橋・ライフライン等の社会を支える公共施設を造るための解析・計算・設計技術の基礎について学びます。また、信州の地において人々と自然との関わりを意識しながら、地震・洪水・がけ崩れ等の自然の脅威から人々の生命・財産を守るシステムづくりについても学びます。
環境防災分野では、近年大きな課題となっている地下水汚染をはじめとする様々な環境問題の機構の解明と修復技術、地滑りや洪水氾濫等の自然災害による被害軽減のための理論や技術について学び、自然環境との調和と共生を目指します。
地域計画分野では、経済的な豊かさだけでなく質の高い生活を求めるようになってきた現代社会において、人々が快適に暮らせる地域社会を構築するために必要な技術や手法を学びます。また信州という豊かな自然に恵まれた環境・景観に配慮したまちづくりや地域づくりについても学んでゆきます。
土木工学科では、上述の研究と教育を通して、社会の発展のために活躍できる人、幅広い見識を持ち総合的な問題解決能力を有する技術者の養成をめざしています。
そのために、次のような人を求めます。
- 安全で快適な施設・環境・まちづくりに興味がある人
- 自然との共生や環境問題、災害・減災に関心があり、学ぶ意欲のある人
- 将来、社会と地域の発展のために貢献したいと思っている人
建築学科
建築物は人々の生活にとって必要不可欠なものであり、日常身近に存在するものです。わたしたちの身の回りにも、現代科学技術を駆使して建設されたアートシーンを象徴するような建物から、何百年も昔から継承されている伝統技術をつかってたてられた建物まで、幅広く存在しています。
建築学科では、建設技術に関する確実な基礎学力と高度な専門知識と深い探究心をもった専門家の育成を目指します。そのための教育内容は多岐にわたり、建築設計製図のほか、風や地震に対する安全性の確保を学ぶ構造・材料に関する科目、建築物内外の環境の保全や快適性を追究する環境・設備に関する科目、要求や機能に応じた建物の計画や保存再生について学ぶ歴史・計画に関する科目、建築デザインの原理を探求し創作する意匠・設計に関する科目などからなっています。また、建物単体だけでなく群として、地域や都市の防災や環境保全、歴史についても学びます。
建築物は、その土地の人びとがもっているすべての英知を結集してつくられているといわれています。建築設計製図では、個々の科目で学んだことにくわえ、自ら得た知識と経験のすべてを結集して空間を構想し、発表します。したがって、建築学科の学生に求められる資質としても、工学的な知識や技術の修得はいうまでもなく、同時代の状況を的確にとらえ、地域的・歴史的背景を理解し、未知の諸問題に果敢に挑戦する姿勢が求められます。
人間が生きていくために必要不可欠な建築を通じて、さまざまな失敗や試行錯誤を経験し、自己鍛錬されることを期待しています。
そのために、次のような学生を求めます。
- 学ぶ意欲と根気があり、試行錯誤をいとわない
- 人の考えを聞いたり、自分の考えを表現することが好き
- 環境の保全に関心がある
- 美しい事物への探求心がある
- 自然科学系科目を十分に理解し、人文・社会系科目を苦手とせず、幅広い視野と開かれた感受性をもつ
物質工学科
物質工学は、これまで有用物質の合成やエネルギーの高度利用など、化学的な側面から科学技術の発展に大きな役割を果たしてきました。そして今、「自然と調和した豊かな暮らし」を実現・維持するための先端技術の開発・革新において中心的役割を担っています。すなわち、全く新しい機能を持つ物質や材料、有害物を出さない製造技術、エネルギーの高度利用技術、廃棄物や有害物の分解・リサイクル技術などの開発・革新がそうです。物質工学科は、このような開発・革新、そしてその成果の正しい応用を通して社会に貢献できる人材の育成をめざしています。
このため物質工学科では、学生は1年次には幅広い視野を身につけるための教養科目や英語、数学、物理、化学を中心とする専門基礎科目を学びます。4・3 年次には物質工学の専門科目を中心に、化学英語や専門基礎科目などを学びます。4年次には、教員の個別指導のもとに卒業研究を進める過程で情報収集、実験、討論、発表などを行う能力と高い倫理性を養い、自律的で創造性豊かな技術者・研究者として活躍するための総合力を身につけます。
このほか物質工学科では、4年間の教育と研究指導を通して、各種研究装置や化学物質を安全に扱うための専門的知識と技術の教育のみならず、世界に向けて研究成果を発表したり最新の専門情報を収集するためのコミュニケーション技術など、実用的な知識・技術の教育にも力を入れています。また、学生は学部卒業後は信州大学に設置されている大学院修士課程や博士課程に進学して、さらに高度な専門知識や研究能力を身につけることができます。
以上のような教育を行っている物質工学科は、次のような学生を求めます。
- 化学や科学技術に興味があり、それらに関わることに喜びを感じる学生
- 物質工学の専門知識・技術を活用して社会に貢献したいと願う学生
- 自分で目標を立て、それに向かって計画的かつ継続的に取り組める学生
- 物質工学の修得に必要な化学、物理学および数学の基礎学力を有する学生
- 情報発信や収集に必要な国語や英語の言語力を有する学生
- 様々な考え方を理解し、主体的かつ協調的に勉学や研究を進められる学生
情報工学科
今やコンピュータ並びにそれらの応用機器は社会のすみずみにまで浸透し、これら無しの生活は考えられない社会が形成されています(例えば、皆さんは携帯電話、ゲーム機、インターネットのない生活を考えられますか?).社会における情報を扱う分野の重要性は今後もますます増えていくでしょう。
このような中で、情報工学科では、コンピュータのソフトウェア、ハードウェアに関連する分野の基礎から応用までを学び、これらに強い学生の養成を目指しています。そのため理論の講義を充実させるとともに演習・実験の時間を増やし、創造的思考に優れ、同時に実戦的な技術を備える学生の養成を目指しています。
そのために、情報工学科では次のような人を求めます。
- 向上心があり、自ら考え、自ら行動することができる人
- 情報機器(組み込み家電、携帯電話など)の仕組みや動作に興味がある人
- コンピュータの基礎から応用までを学びたい人
- コンピュータのソフトウェア、ハードウェアに興味がある人
- 将来、情報工学の技術を社会のために役立てたいと思っている人
環境機能工学科
環境機能工学科では自然との調和・共生を可能とする、「環境調和型科学技術」の創生を担う人材の養成を目的としています。
産業革命以降の科学技術進展によって我々の生活は豊かさと便利さを手に入れましたが、一方で生態系の急速な破壊を初めとした様々な問題を生み続けています。1970年代以降、地球規模での環境問題が相次いで指摘され、国際社会はその対応を急ピッチで進める必要に迫られています。現在は環境問題ブームで市民運動においても環境問題を扱っていますが、環境という言葉の内包する意味は広大で、「環境調和型科学技術」の創生には広く、しっかりとした科学的知識が必要です。
環境科学は複合系分野であることより、環境機能工学科では機械・化学・材料・生命などの基礎知識をしっかりと身につけ、総合的な判断力を持つ人材を養成するカリキュラムを専門講義に用意しています。4年生の卒業研究では希望の研究分野でより深く学べる体制を用意しています。
環境機能工学科では以下に該当する人材を求めています。
- 環境科学と技術について総合的に深く知り、人類の未来に貢献する意志のある人
- 自然のメカニズムを科学的観点から知りたい人
- 自ら学び、考えることのできる人
- 理系科目のみならず、文化、経済的思考ができる人
- 科学技術がしっかりとした知識からしか生まれ得ないことを理解できる人