教員紹介

かない ただし

金井 直

哲学・芸術論 教授

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展覧会「ここも そこも どこかのここで」

会場エントランス(松本市美術館)

松本市美術館で開催中の「ここも そこも どこかのここで 小林史子・前沢知子・水野勝規」展、この3連休にもたくさんのみなさまにご来場いただきました。ありがとうございました。気鋭の作家さんと芸術ワークショップゼミの学生たちのコラボレーションから生まれた展示空間は、通常の現代美術展とは少し別の、開かれた雰囲気に包まれています。 会期も残すところあと3日(11月27,28,29日)。未見のみなさまのために、少し見どころを紹介しましょう。

みどころ

前沢知子さんの展示風景

まず注目していただきたいのは、小林史子さんの作品に用いられている旧山崎歯科医院のレンガです。旧山崎歯科医院は1888年に建てられた県内最初期のレンガ造り洋館で、1996年に登録有形文化財に指定されました。しかし、2011年6月の地震で損傷。その後、保存運動も展開されましたが、惜しくも今年8月に解体。その際、確保された約1200個のレンガが今回の作品素材です。その場所ならではの素材を用いたインスタレーションを得意とする小林さんの力量で、歴史の層理を感じさせる、また、秩序と破調のせめぎあう緊張感ある作品が生まれています。 一方、前沢知子さんは信州大学内や松本市美術館で絵画制作ワークショップを展開。多くの参加者との共同作業から生まれた絵画に、さまざまな機能・形式を与え、美術館内外に送り出しています。最近、松本市内に絵画が増えているとは思われませんか。あるいは、いつもの場所に別の絵がかかっていることにお気づきではないでしょうか。そんな新鮮な絵画との出会いを演出していた前沢さんが、美術館では大作を公開。ぜひご覧ください。 映像作品を手がける水野勝規さんは、今回は、通常のスクリーン枠を離れ、複数の映像のフレームを空間内に解き放つことで、それを追う眼差しの身体性を強く刺激することに成功しています。もちろん、ストレートな映像投影も水野作品の魅力。これは、美術館外の池上邸でご鑑賞いただけます。 展示とは別に、関連企画が2つあります。 「まちなかトーク」11月27日(火)17:30-21:00 かわかみ建築設計室 「公開ゼミ@あがたの森」11月28日(水)19:00-21:00 あがたの森文化会館 草間さんもいいけれど、別のタイプの現代美術にも触れていただければと思います。 学生たち、がんばっています。「ここも そこも どこかのここで」おすすめします。11月29日まで。於松本市美術館。入場無料!

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