【講義期間】前期
【曜日・時限】木曜･2時限
【授業形態】演習
【授業のねらい】
最新の現代ハリウッド映画を研究対象とし、1990年代以降のハリウッド映画の変化をふまえつつ、個々の作品の質的な差異を瞬時に掴みとる〈動体視力〉 を鍛えるとともに、アメリカの歴史や現代のアメリカ社会との関係性のなかで作品を分析する視点を強化することをねらいとします。
【授業の概要】
はじめに「古典的ハリウッド」のスタイル（表現技法）の確認をしながら、スタイルの面から見る映画の見方を学んだ上で、現代ハリウッド映画をめぐる諸問題を概観します。
その後、松本市内で上映されている最新のハリウッド映画を研究対象としていきます。
毎回担当者を決め、担当者による作品の考察、作品のレヴュー（英語および日本語）の要約の発表の後、全員でディスカッションを行います。
【授業計画】
第１回 オリエンテーション
第２回 古典的ハリウッド映画のスタイル
第３回 現代ハリウッド映画をめぐる諸問題 1
第４回 現代ハリウッド映画をめぐる諸問題 2
第５回 ケーススタディ
第６〜15回 ディスカッション
以下の作品を取り上げ、毎回ディスカッションを行います。
公開日の変更などにより、取り上げる作品は変更することがあります。
4月
『ワルキューレ』（ブライアン・シンガー監督）
『イエスマン "YES" は人生のパスワード』（ペイトン・リード監督）
『バーン・アフター・リーディング』（イーサン・コーエン監督）
『グラン・トリノ』（クリント・イーストウッド監督）
『スラムドッグ＄ミリオネア』（ダニー・ボイル監督）
『ある公爵夫人の生涯』（ソウル・ディブ監督）
『レイチェルの結婚』（ジョナサン・デミ監督）
5月
『天使と悪魔』（ロン・ハワード監督）
6月
『それでも恋するバルセロナ』（ウディ・アレン監督）
『ターミネーター４』（マックG監督）
『愛を読むひと』（スティーヴン・ダルドリー監督）
7月
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』（デヴィッド・イェール監督）
※計画は変更することがあります。
【成績評価の方法】
授業への参加度（単なる出席ではなく授業内での発言など）、発表、レポート等によって総合的に評価します。とくに、期末のレポートを重視します。
【履修上の注意】
初回に授業の進め方を説明しますので、履修希望者は初回の授業にかならず出席してください。
発表担当者は、対象作品のレヴューを正確に要約するのはもちろんのこと、それに対する自分自身の考え、対象作品に対する自分自身の考察を述べられるようにしてください。
発表担当者以外の参加者も、毎回授業前に対象作品を鑑賞しレヴューを書き、対象作品のレヴューもよく読み、ディスカッションに備えてください。
【教科書】
・藤井仁子編『入門・現代ハリウッド映画講義』人文書院
・矢口祐人・吉原真里編『現代アメリカのキーワード』 中公新書
【参考書】
・デイヴィッド・ボードウェルほか『フィルム・アート 映画芸術入門』名古屋大学出版会
・長谷正人・中村秀之編『映画の政治学』青弓社
・Ira Jaffe. Hollywood Hybrids: Mixing Genres in Contemporary Films. Rowman & Littlefield.
・Jon Lewis. The End Of Cinema As We Know It: American Film in the Nineties. NYU Press.
・Steve Neale, ed. Genre and Contemporary Hollywood. BFI.
・吉本光宏『イメージの帝国／映画の終わり』以文社
・Steve Neale and Murray Smith, eds. Contemporary Hollywood Cinema. Routledge.