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いいおか しろう

飯岡 詩朗

英米言語文化 教授

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雑記

「なか見!検索」サーヴィスの開始

 

nakami.jpg Amzon.co.jpでも書籍全文検索のサーヴィス「なか見!検索」がスタートした。 これはAmzon.comで2003年から行われている"Search Inside!"の日本版である。現在のところ洋書が中心のようだが、和書でも全文検索できる本がある。
この"Search Inside!"のサーヴィスがスタートしたときの衝撃はいまでも憶えている。
単純に言えば、このサーヴィスは、ある作家名なり作品名なりなんでもかまわないのだが自分の関心のあるキーワードで書籍の本文を検索ができ、そのキーワードがヒットすれば、そのキーワードが本文に登場するページを見ることができるというものである。
もちろん、この程度のことは、Indexのついている書籍であれば、その書籍が手元にありさえすれば容易にできる。しかし、この"Search Inside!"のサーヴィスを用いれば、手元にない書籍でもそれが可能であるし、Indexには挙げられていないワードも検索できる。 しかも洋書の場合は、大都市部の洋書の取り扱いのある書店でも手に取ることのできる書籍の点数は限られているため、中身をちらっと確かめるのにも購入する か、全国のどこかの図書館から探し出して借りるかしかなかったのだが、"Search Inside!"を使えばお金も時間も体力もほとんど使わず「立ち読み」ができてしまうのである。このことは少なくとも私にとっては衝撃的だった。
このサーヴィスの限界は使用したことのない人でも容易に想像できるだろう。すなわち流通しているすべての書籍の全文検索をすることはできないということである。すでに絶版になった本、図書館にしかないような古い本についてはいうまでもない。(もっともアメリカではGoogleと大学図書館が共同で"Search Inside!"と同様の"Google Print"という検索プログラムを図書館の蔵書まで拡大しようとしているようである。)もちろん、この全文検索できる書籍の点数が最大の問題なのだが、日本版「なか見!検索」の問題、というか、和書の「なか見!検索」の問題はもっと単純なところにもある。
それは、依然として和書のほとんどが縦書きであるため、パソコンの画面が大きくないかぎり(少なくとも20インチ以上は欲しいところだ)、画面に映し出 されるページの上半分程度しか見ることができず、その結果、そのページを文として認識できない、という問題である(写真は12インチのiBookの場 合)。これは実はかなり大きい問題だと思う。もちろん、こうした問題は、横書きのときには起こらない。
現段階では、そもそも「なか見!検索」が可能な書籍の点数自体が少ないので、実用性という点では話にならないが、仮に点数が劇的に増加しても(まずそんなことはあり得ないだろうが)、縦書きの問題は依然として残るだろう。

 

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