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北村 明子准教授

北村 明子准教授
人文学科 哲学・芸術論コース
准教授  北村 明子

コンテンポラリー・ダンスを中心とするパフォーマンス論を研究している。ダンサー、振付家、演出家の視点から舞台芸術における"howto"を考える。ダンス・カンパニーLeni.Bassoのアーティスティック・ディレクター。

1995年.96年には文化庁芸術家在外研修員としてドイツ、ベルリンに滞在。2003年にはアメリカ3大フェスティバルのひとつAmericanDanceFestivalにInternationalChoreographerとして招待され、世界各国から集まったダンサーたちに作品を提供、アメリカにて劇場公演し高く評価された。

欧米アジア、各国のダンスフェスティバルに招聘され、代表作「Finks」(2001年初演)を上演。2005年、ベルリンの「世界文化の家」との共同制作により、松本にて「GhostlyRound」を発表し、ベルリンほか世界各都市で上演。

現役の振付家・ダンサーである先生が大学でされている授業はどのようなものですか?
学生はみんなダンサー志望なんでしょうか?

ほとんどが「ダンサーになりたい!」という人ではないよね。
授業では、実際のダンス作品を見てもらって、振付家の理論を研究したりする。例えば、現代の振付家の中には、有名なクラシックバレエの「白鳥の湖」を現代版にアレンジして、ダンサーをスキンヘッドにして、がにまたのぶかっこうな姿勢で歩かせちゃうなんていう人もいる。
最初は、見たことがないジャンルのせいか、見方にとまどう学生も多いみたい。でも、どういう意図で作品が創られているかを読みといていくと、今まで知らなかった美しさを発見するだけでは終わらずに、いろいろなものが見えてくる。

芸術への鑑賞眼を高める、みたいなことですか?

何かを見て、面白かった、つまらなかった、だけで終わってしまうのはもったいない。自分の感じたことに対して、新しい言葉や、思考回路を獲得していくと、芸術作品の見方自体も変わってくる。自分の脳の中にある白地図に次々と道を書き込んでいくような作業をする授業ともいえるかな。そうやって「自分マップ」みたいなものを創っていってほしいな、と。

それじゃあ、学生は踊るわけではないんですね?

いやいや、もちろん、しっかり踊る授業もあります。といってもダンス経験のない人がほとんどなので、それをどう踊らせるか、というのが毎年の私の課題であり楽しみなんだよね。ジャンプをしたり、音楽のリズムにのってないと、ダンスじゃない、と思う人もいれば、街中で人が歩くだけの姿にダンスを見出す人もいる。つまり、ダンスってなんだろう?という疑問を持って、それぞれのアプローチで作品をつくろう、という授業をするの。

なるほど。でも先生は実際に舞台作品を創っているんですよね。それと授業とどんな接点をもっているんですか?

実際の舞台って、ダンサーが踊れば済むか、というとそうではないんだよね。劇場、舞台美術、音楽、照明、衣装、振り付けとそれぞれのセクションで共同作業をしていくんだけど、そこで関わる人すべてに、いかに自分の考えを的確に伝えるかが作品を左右する。
最初は文章をつくって、それに基づいて話し合いをするんだけれど、時には絵や写真、音楽を使ったり、読んだ本から引用したり、身ぶり手ぶりで踊ってみせたりすることだってある。頭の中にある「自分マップ」から生まれる「伝えたいこと」を、人がわかるようにアピールしなくちゃならない。何かを創作するって、あらゆる伝達ツールを使ったコミュニケーションの集積なの。

大学では机上の勉強が多いけど、この授業では、自分の考えを伝えるために、実際に身体を動かして表現しながら、他者と苦しいまでのコミュニケーションをとってもらう。「思っていることを伝達するのは意外とむずかしい」と感じながら、独自の表現方法を見出して、最後の「ダンスづくり」という地点にたどりつくわけ。コミュニケーションの技術を実践的に身につけていく授業とも言えると思うよ。

ダンスをつくる、といっても、身体をリズムにあわせて動かすっていう運動系の要素ばかりじゃなくて、もっと個人の意識や表現力を試される深いものなんですね。大変そうだけど達成感がありそう。今日はどうもありがとうございました。

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