よくある質問(大学院編)

大学院(哲学・思想論領域)への進学を希望される方へ

当領域の特色/知的回遊がもたらす広い視野と思考の技能

 強靱な批判力を自らのうちに育ててゆくためには、古今東西の思想や様々な学問的探究の方法を理解する広い視野と、的確に推論して解りやすく述べる思考・表現の技能を、一歩一歩体得してゆくことが必要です。そこで、当領域では、(1)広い視野を身につけ、様々な研究領域の思考法を広く学ぶとともに、 (2)常に原理的に問いを発し、論理的に自らの意見を構築する態度を培うことができる大学院生の育成を目指して、以下のような教育体制が採られています。

どのような研究ができるか

 (1)言語哲学・心の哲学、(2)中国哲学・日中比較文化論、(3)倫理学・西洋哲学、(4)インド仏教学・比較哲学を専門領域とする教員集団が教育に従事しています。バランスのよい教員配置を伝統とする当分野で、学生は「古・今・東・西」の哲学的探求を渉猟することができます。  また、当領域最大の特色は、これらの多様な研究領域・研究技法に接することができるカリキュラムを、領域所属の教員四名による全員指導体制のもと、徹底した少人数教育を通じて履修できる点にあります。  「原則として、院生一人につき四人の指導教員がつく」状態をイメージしてもらってかまわないかもしれません。学期中に開講される毎回の授業は、(1)受講生の関心、(2)最終的な修士論文の内容、(3)先述の「多様な研究領域・研究技法に接すること」という大局的な見地、を総合的に考慮した上で、「まるでオーダー・メイド?」と思われるような構成の下に組み立てられます。  また、すべてが少人数形式の授業に加えて、年二回の大学院シンポジウム(*)用原稿の作成指導(原則として、月一回程度、院生による研究成果の発表を領域所属の院生全員と指導教員で検討・討議する)が実施され、修士一年次の段階から最終的な修士論文の完成に向けたきめ細かな指導が継続的に行われます。 (*)大学院シンポジウムでの口頭発表は、原則として年一回(修士一年・冬/修士二年・夏)行われます。ただし、修士一年次前期に優秀な研究成果を示した修士一年生、修士論文優秀賞の候補となった修士二年生については、各々年二回の発表機会が与えられます。)

哲学・思想論領域を受験するにあたって、どのような準備が必要か

 入学に際し、具体的な研究テーマを決めておくことが大切です。ただし、入学後に教員と相談の上、研究テーマを変更することもあります。また、大学院試験では、論理的に思考する力だけでなく、ある程度の哲学的概念・哲学史についての知識も問われます。これまでに哲学を専攻としてきたことが必ずしも必要なわけではありませんが、哲学以外の分野から当領域(哲学・思想論)を目指すのであれば、自分で相応の準備をしておくことが求められます。なお、テーマにかかわりなく、英語論文を読みこなす力が必要となります。

過去に提出された修士論文の題目

平成18年度  01LA004C 後藤順子 「うつの病理と関係としての自己 ―吉本隆明『心的現象論』を手がかりとして―」 04LA005B 倉科 恵里 「人間でなければできない看護」 05LA002A 伊藤 博夫 「カントの理性信仰について―『実践理性批判』を中心に―」 05LA010B 森田 泰一郎 「心的現象の存在論」 05LA011A 柳澤 幸宏 「ニーチェの自己肯定の哲学」 平成19年度 05LA008A 中原 寿子 「正義と慈愛の共存をめざして ―E,レヴィナスの経済思想を読み解く一試論―」 06LA006H 日向野 美峰 「発話の伝達内容について」 平成20年度 06LA002E 厳 梓嘉 「祭事と祖先崇拝」 06LA004A 常田 啓子 「ショーペンハウアーの思想における芸術の位置」 07LA001A 斎藤 卓也 「フロムの自由論について―バーリンの自由論との比較を中心に―」 平成22年度 09LA001H 唐木田 正海 「心の物理主義的説明について」 09LA002F 川住 賢太 「ルソーにおける自然状態と社会状態」 09LA007G 森戸 水穂 「自然な実在論について」

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