2007年安曇野調査報告書

2007年に安曇野市民の皆さまのご協力を得て実施した調査の報告書が完成しました。
調査報告書をpdfファイルにてダウンロードできます。どうぞご覧下さい。



 

田園地域におけるコミュニティ形成
安曇野市の農業、近隣関係とコミュニティ意識

 

まえがき
本報告書は、2007 年度に信州大学人文学部社会学研究室および文化情報論研究室が安曇 野市でおこなった社会調査の報告書である。
安曇野市における調査は、2005 年から3 年継続で実施したものであり、本報告書は、2005 年度報告書『地域活動と住民意識に関する穂高町民調査報告書』、2006 年度報告書『安曇野市の景観形成活動と景観の価値』を引き継ぐものである。
2005 年度と2006 年度は、2 つの研究室が安曇野で別々の調査を行ってきたが、2007 年度の調査では2 つの研究室が合同して調査を行った。
なお、本調査は平成19 年度の「社会調査実習III」および「文化情報論応用実習II」の実習を兼ねて実施した。
2005 年度は穂高地区(調査実施時は穂高町)住民のコミュニティ意識を中心的テーマに調査を行い、2006 年度は景観形成と観光の問題にテーマに絞って調査を実施した。2007 年度においては、農業者を対象とした聞き取り調査と安曇野市民を対象とした郵送調査を並行して実施した。農業調査は昨年度のテーマを引き継いでおり、安曇 野の田園景観の維持と農業の維持は同一の問題だというところから出発して、専業的農業者の農業経営の現状と意識を調査している。
郵送調査は2005 年度、2006 年度の調査を引き継いだ部分もあるが、それ以外にも市民のコミュニティ活動、市民生活、町村合併への評価などに調査事項を拡大した。それゆえ、報告書で 扱っている内容が広範囲にわたっているため、報告書の題名も『田園地域におけるコミュニティ活動』という概括的なものになった。
この報告書は、調査に参加した学生諸君のレポートを土台にしている。報告の分担は以下の通りである。

<第1部>
第2章 王褘飛、北田暁子、降幡佳子、稲見あか里、解婷、後藤洋輔、山田裕奈、劉明
第3章、第5章 金子未央、川端綾子、藤田雅司、小林万由子、水品菜摘、梁島英恵
第4章、第7章1 稲垣惇、上島創、清水政善、佐藤摩弥、富吉亮介、宮坂奈緒
第6章、第7章2 斎藤慎二、篠原ことえ、山本晃寛、掛川千年、細川美佳、中島あかね、宮田太陽

<第2部>
第2章 青木仁美、桑田裕子、平木利尚、福住達矢
第3章、第4章 斎藤慎二、篠原ことえ、山本晃寛、掛川千年、細川美佳、中島あかね、宮田太陽
第5章 阿部俊介、真下由里恵、松澤友紀子
第6章 稲垣惇、上島創、清水政善、佐藤摩弥、富吉亮介、宮坂奈緒
第7章 小原良太郎、木亦千尋、金城圭輝
第8章 王褘飛、北田暁子、降幡佳子、稲見あか里、解婷、後藤洋輔、山田裕奈
第9章 金子未央、川端綾子、藤田雅司、小林万由子、水品菜摘、梁島英恵
補論  小原良太郎

ただし、第1部については村山が、第2部については渡邊と祐成が元のレポートを徹底的に推敲し、不足部分は補ったため、原型はほとんど残っていない。
それゆえ、3 人の教員が本報告書について最終的な責任を負う。
今回の調査を実施するに当たっては、安曇野市からの研究助成を利用させていただいた。
今回の調査においても、安曇野市役所の職員の方々にお世話になった。さらに、JA あづみ、信州山葵農業協同組合の方々にもお世話になった。深く感謝したい。
また、聞き取り調査に協力していただいた農業者の方々、郵送調査に協力していただいた市民の方々に深い感謝の念を捧げたい。

平成20 年3 月
信州大学人文学部 社会学研究室・文化情報論研究室
村山研一、渡邊 勉、祐成保志


目次


第1 部 安曇野市の農業と農業景観

第1 章 農業調査の課題と調査項目
1. 安曇野市の農業の現況
2. 農業調査の課題
3. 農業調査の対象者
4. 農業調査の調査項目
5. 本調査報告書について

第2 章 稲作農業
1. 安曇野市の稲作農業:統計およびその他の資料による観察
2. 大規模稲作農家
3. 集落営農組合
4. 農業生産法人(北穂高農業生産組合)
5. 稲作農業の課題

第3 章 りんご栽培
1. 安曇野のりんご
2. りんご栽培農家の諸事例
3. 現状と課題

第4 章 野菜栽培
1. 安曇野の農業における野菜の位置
2. 野菜栽培農家の諸事例
3. 現状と課題

第5 章 畜産と酪農
1. 畜産と酪農の概観
2. 酪農および畜産農家の諸事例
3. 現状と課題

第6 章 わさび農業
1. 安曇野のわさび農業の概観
2. 事例報告
3. 安曇野わさび農業の現状と課題

第7 章 農業関連部門
1. 農産物直売所
2. 農業体験施設

終章 おわりに


第2部 安曇野市民の地域意識と活動

第1 章 調査概要
1. 調査目的
2. 調査の方法
3. 回収状況
4. 質問項目一覧

第2章 安曇野市民の交流状況とその規定因
1. 調査研究の課題
2. インフォーマルな交流
3. フォーマルな交流
4. 結論

第3 章 地域活動への参加 ―何が地域活動への参加を促すのか―
1. 地域社会とソーシャル・キャピタル
2. ソーシャル・キャピタルと地域活動
3. 地域活動の規定因
4. 結論

第4 章 信頼感・愛着度の形成 ―信頼感、地域への愛着度はどのように形成されるのか―
1. 人口増加による地域コミュニティの新たな形成
2. 信頼感・愛着度と転居経験
3. 信頼感の形成要因
4. 愛着度の形成要因
5. 結論

第5 章 ローカルメディアと住民生活
1. 調査研究の課題
2. ローカルメディアと家族生活
3. ローカルメディアと地域生活
4. 結論

第6 章 合併を肯定-否定するのはどのような人か ―合併への肯定の規定因の分析―
1. 問題の所在
2. 合併の経緯
3. 合併評価の分析
4. 結論

第7 章 居住地による消費行動・意識の比較
1. 調査研究の課題
2. 分析結果
3. 結論

第8 章 農業への理解 ―農業従事者と非従事者の相違と相互理解の可能性―
1. 安曇野における農業の重要性
2. 農業従事者の特徴
3. 農業従事者と非従事者の地域意識の相違
4. 農業従事者と非従事者の農業に対する意識の相違
5. 農業非従事者の分析
6. 農業従事者と非従事者の理解の可能性

第9 章 景観維持の担い手 ―景観はだれが維持していくべきなのか―
1. 安曇野の景観問題
2. 安曇野の景観は守られるべきなのか
3. 安曇野の景観は、誰が守るべきなのか
4. 結論

補論 地区のクラスター分析による新たな地域分類の試み
1. 調査研究の課題
2. 分析結果
3. 結論

付録
・調査票
・速報
・単純集計表
・「安曇野市民の地域意識と活動に関する調査」協力者一覧

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