フランス文学分野の教育目標

フランス文学分野では,フランス語の学習をとおしてフランス文学をはじめ幅広くフランスの言語文化を学んでいきます。まだフランスのことを表面的にしか 知らない人は,フランスというと,エレガントなファッションやブランド品,あるいはフランス料理やルーヴル美術館などをイメージするかもしれません。
ヨーロッパの中心に位置するフランスは,長い歴史と伝統を誇り,政治的,経済的,文化的に指導的役割を果たしてきました。このことは,現在残っている有 形,無形の文化遺産を見るだけで一目瞭然です。フランスについて学ぶことはとても楽しく有意義なことです。文学,哲学,思想,芸術,食文化,あるいは科学 や観光にいたるまで,それらは美しく論理的で明晰なフランス語によって表現されてきましたし,今でもそれは変わっていません。
フランス語は第一次世界大戦までは外交において広く使われた言語であり,かつては教養人の社交言語でもありました。現在でもフランス語は,英語とともに 欧州連合(EU)の公用語であり,現在ヨーロッパ諸国では,フランス語を勉強するビジネスマンや学生が大変増えています。またフランス語はヨーロッパのみ ならず,アフリカ諸国,中近東,カナダ,中米,オセアニアなど世界各地のフランス語圏の国や地域で広く用いられている言語です。オリンピックで最初にアナ ウンスされる言語もフランス語です。フランス語を学習することは,広く世界の諸国や諸地域に目を向けることでもあるのです。英語だけではなく,それ以外の 他の外国語や外国文化に触れることは,多角的で柔軟な思考法を身につける上でとても大切なことです。数ある言語の中でとりわけ論理的な言語であるフランス 語を習得することは,また人間性探求の文学と言われるフランス文学を学ぶことは,いろいろな局面を乗り越える力,つまり「人生の糧」を蓄えていくことにも つながるのです。そういった意味でも,フランス語学・フランス文学分野でフランスの言語文化を学ぶ意義は大きいと言えます。
1・2年次は主に基礎的な語学力の習得に重点を置き,発音,読み,読解,会話などを中心にフランス語の総合的な力をつけていきます。3・4年次は,より 高度な文学作品の読解や,課題探求能力の育成,そしてフランスの言語文化の学習をとおして豊かな国際感覚を養い,それら身につけた能力を最終的に卒業論文 の作成に結びつけていきます。比較的少人数(平均毎年5名前後)なのできめ細かな指導ができることが当分野の最大のメリットです。
また,フランスのラ・ロッシェル大学との間に学術交流協定が結ばれており,フランス語を一生懸命勉強すれば(仏検3級以上合格が最低条件です),交換留 学生として1年間留学することも可能です(原則として毎年2名まで)。これまでの派遣実績は,2003~2004年1名,2005~2006年2 名,2006~2007年1名,2008~2009年2名となっています。ラ・ロッシェル大学から信州大学へは,主に工学部に3ヶ月間の短期研修制度によ り留学生が来ています。人文学部へは2005~2006年にギヨーム・マリエという男子留学生が1年間交換留学生としてやってきました。 2009~2010年にも2名の仏文の学生が交換留学生として派遣されることになっています。ラ・ロッシェルは大西洋に面した古くから貿易港として栄えた 風光明媚な町で,学習環境としてはたいへん恵まれた地方都市です。以下に町の様子を紹介します。

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旧港に面して瀟洒なレストランやカフェが立ち並ぶ。

 

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たくさんのヨットが停泊している旧港。背景にラ・ロッシェルのシンボルとなっているゴチック様式の塔が見える。

 

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ラ・ロッシェルで行われた東洋文化フェスティヴァルに招聘されたとき(2005年4月),先方の学生たちと夕食を取る。

 

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ラ・ロッシェル大学のキャンパス。

 

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ラ・ロッシェルの仏日協会「しおさい」主催の歓迎会にて。

 

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旧港の眺望。

 

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学生たちとカフェにて。

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