c. 授業科目の紹介

英語学概論 I

本日から、いよいよ三日連続15コマの連続講義が始まりました。

立教大学名誉教授の吉野利弘先生は、日本を代表する中世英語英文学の研究者です。

フルブライト奨学生としてペンシルヴァニア大学に留学され、博士号を取得。

専門は古英語の文体論、英語学史、英語史で、特に古英語に翻訳されたボエティウス著『哲学の慰め』を中心に扱った研究が有名です。

ボエティウスは中世前期というか、古典末期のローマの政治家であり、自らが政治的理由で死刑になる前に綴った『哲学の慰め』は、時代を越えてヨーロッパで現代まで読み継がれた名著です。

英語の歴史の中では、この『哲学の慰め』は古英語時代のアルフレッド大王、中英語時台のジェフリー・チョーサー、そして初期近代英語期のエリザベス一世がラテン語からそれぞれ翻訳したことが有名であり、その時代を代表する人々によって翻訳された英語の違いが、また興味深い資料ともなっていますが、その作品自体が、人間の生と死の意味を教える人類の素晴らしい智慧の詰まった書物となっています。

さて、吉野先生の授業の特徴は、なんと言っても学生にものを考えさせることです。
先生のモットーは、「自分は学生に知的刺激を与えること。実際に学生がものを考え、図書館で本を借りだしてそれを読んで知識を増やし、その上で考えを構築していくのは学生自身が行わなければならない」です。

したがって、先生の授業には多くの分野のことが話題になります。けれど、授業中に語られるあらゆるトピックすべてが、結局のところ「英語学」の総体でもあります。知識の洪水に思わず圧倒され、先生が何を言いたいのかわからなくなるでしょう。

その時こそ、チャンスです。

わからないことを手を挙げて、質問してみましょう!!!

自分が何を知っていて、何を知らないのかに気づき、先生が語ることにどのような意味があるのかを、学生同士あるいは先生との議論を通じて、今度は「築き」あげていくことこそが、大学に於ける授業の求めるモノなのだということを体感して下さい。

それが、日本の誇る吉野利弘先生の授業を受ける受け方です。

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