お知らせ・報告

20170529中国語サロン 虫、唐詩、九九のこと

「いなごの佃煮」の準備、爪楊枝が倒れて見苦しいのは御容赦ください。

この日の中国語サロンは、学生、研究生、参加いただいているネイティブ非常勤講師の先生方等、全部で9人参加でした。

画像は週末に松本の町中でたまたま見かけた「いなごの佃煮」、中国人留学生たちがどんな反応を見せてくれるだろうか?と持参したものです。院生Z君と非常勤講師L先生は臆せず口に運び、“小虾味道(小エビのような味)”“有脆脆的感觉(サクサクした感じ)”と、なかなか美味しいという感想でぱくぱく食べていました。いなごは中国語で“蝗虫”と言います。一方院生Lさんと留学生Zさんは虫はいやだ~という反応。食の国中国の人と言えども誰もが昆虫でも何でもかんでも喰らうわけではなく、苦手とする人だって当然いるわけです。そこから2年生S君と虫単語の話題になりまして、“蝴蝶(チョウ)”“知了(セミ)”“苍蝇(ハエ)”“蜘蛛(クモ)”“蚊子(カ)”などをLさんが教えてくれました。Lさんはこれらの昆虫は「動きが速いので恐い、连打蚊子都不敢(蚊を手で叩くのすらしない)」といい、その一方で「“蚯蚓(ミミズ)”は平気、なぜなら動きが遅いから」とのことでした。昆虫は平気でミミズのような環形動物が苦手という人もいると思いますが、感覚もまた人それぞれです。

上画像:唐诗联唱动画 静夜思,悯农 ,春晓,相思/下画像:九九乘法歌 それぞれのキャプチャ画像

2年生のHさんが中国の詩に興味があるということで、日本の国語教科書でもお馴染みの李白≪静夜思≫や孟浩然≪春晓≫を、留学生のZさんに発音解説してもらいました。そういえば唐詩の朗読動画などいろいろあったなとYoutubeで探して見たところ、≪静夜思≫≪春晓≫また李绅≪悯农≫や王维≪相思≫を童謡のようにして歌っているアニメ動画を見つけましたので一緒に聞いてみました。メロディーやアニメ絵柄はそれほど厳密に詩の内容を伝えているわけでもないようですが、五言絶句なら何でもこのメロディーに乗せて歌えそうな汎用性があり、子供たちが歌いながら詩を憶えられるようになっていることが分かります。日本でも百人一首を憶えたりしますが、童謡のメロディーに和歌を乗せて歌って憶えることは普通ないでしょう。中国文化では京劇や相声(漫才)など“唱(歌う)”ことをとても重要視しますが、古典文学作品の憶え方にも同様にその文化が反映していると考えられます。

動画を見ていたら“九九乘法歌”も出てきたのでついでに聞いてみることにしました。“一一得一,一二得二,……,二一得二,二二得四,……,三一得三,三二得六,三三得九,三四十二,三五十五,三六十八,三七二十一,三八二十四,三九二十七”のように、1×1=1から9×9=81まで、やはり童謡のメロディーにのせて中国語で歌って憶えるものでした。但し一般に中国語九九の特徴として、“一一得一,一二得二,……”と一の段を唱えたあと、二の段は“二二得四,二三得六,……”で始まり、三の段は“三三得九,三四十二,……”で始まるといった形で、先に出た段で既に答が出ているものについては唱えないというルールがあります。童謡メロディーに乗せて憶える場合には、それぞれの段の長さを揃えるために敢えて“二一得二,三一得三”も歌っていたわけですが、日常使う九九では「“三一得三”はおかしい、普通言わない」と留学生Zさんが話してくれました。改めて日本語の九九と中国語の九九の違いを確認できた一時でありました。

◎中国語サロンは毎週月曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

ページの先頭へもどる