基礎科学研究部門

研究概要

ナノカーボン合成

  • 合成ルートにバイオマスを活用することで環境に配慮したグリーンナノカーボン材料を生成し、それを溶液、イオン、分子等の吸着分離材料として活用するための基礎研究を行う。植物廃材を活用することでコストと環境負荷の小さな炭素源を確保することが可能となり、新規ナノカーボン材料の低コスト生産の可能性を模索する。この際に新たに調達する誘導加熱炉を活用することで新たな炭素相を形成することを試みる。得られた炭素材料の構造解析や特性分析を通じて物質分離機能や吸着能、透過能を検討して応用部門での活用の可能性を提案する。
  • CVD、MBE、PECVD、を活用した精緻に制御されたナノカーボンの合成をおこなう。繊維状だけでなく立体的構造や膜状構造を持つナノカーボンを成長させることで革新的機能を持たせる。ナノカーボンの主な生成経路であるCVD等の手法を活用する中で重要なのが触媒の制御である。触媒をいかに所望の大きさと密度で配置するかが必要な径、カイラリティ分布を得るうえでカギとなる。そこで新たに調達するスプレー塗布装置を活用して触媒の粒径と密度を制御し、狙った径分布のナノチューブを生成したり、グラフェン量子ナノドットを形成したりする。

ナノカーボン構造解析

  • カーボン科学研究所が有する世界最高峰の原子分解能をもつ収差補正透過型電子顕微鏡(CsTEM)を使用してナノカーボンの原子レベルでの構造を明確にする。これにより構造モデルを作成でき、物性計算などを行って構造物性の関係を明確にする。
  • トリプルラマン、XPS、EDS、EELSなどの先進分析機器を効果的に活用して新規ナノカーボンの構造、元素分析を行う。
    得られたナノカーボンの構造解析を行うことは実験がデザイン通りに進行したか、あるいは実験条件と結果の関係がどのようなっているかを明確にするうえで必要不可欠である。最先端の解析手法を組み合わせることで正確に構造情報を得て研究進展を加速する。

ナノカーボン物性探索

  • PPMSやプローブステーションによりナノカーボンの電気、磁気、温度、光学、輸送特性を解明し、更なる特性発現のための最適構造を探索する助けとする。
  • CsTEM、環境制御TEM中でのTEM-STMプローブを使用したナノカーボンの単分子レベルのin-situ I-V特性測定、in-situナノカーボン合成、化学反応の際の原子移動現象の解明を行い、あらたなサイエンスを創成する。

研究室メンバー紹介

林卓哉
部門長、教授(ナノカーボンのTEM分析)
樽田誠一
教授(ナノカーボン材料の化学的解析)
夏木俊明
准教授(ナノカーボンの理論的解析)
竹内健司
准教授(ナノカーボンの合成、修飾)
村松寛之
准教授(新規ナノカーボンの探索)