本吉谷  二郎 (もとよしや じろう)教授 jmotoyo@shinshu-u.ac.jp

(1)有機リン化合物の性質を利用したオレフィン生成反応。特に、有機ホスホネートを利用するHorner-Wadsworth-Emmons (HWE) 反応において、高シス選択性HWE試薬の開発ならびにそのシス選択性発現の機構について実験ならびに計算化学による研究を行った。

(2)ヘテロ原子が関与する化学発光。有機ホスホネートカルバニオンの自動酸化において、環状過酸化物中間体の存在が想定されることに着目し、その化学発光ならびに機構解明に向けて研究している。さらに、イオウ、ケイ素によって安定化されたカルバニオンの自動酸化における化学発光についても検討している。

(3)過シュウ酸エステル化学発光ならびにフタルヒドラジドの化学発光に関する研究。高効率化学発光の代表的なものである過シュウ酸エステル化学発光において、新規複素環化合物であるキノキサリンジオンが活性シュウ酸エステルと同様に効率よく発光することを明らかにし、また、その発光において蛍光剤の電子的効果と発光効率の密接な関係から、化学発光機構において注目されている CIEEL (Chemically Initiated Electron Exchange Luminescence) 機構が含まれる可能性を指摘した。さらに、シュウ酸エステル誘導体およびフタルフドラジドの発光および発光反応中間体の決定など研究継続中である。現在、化学発光に関する研究に加えて、有機ホスホネートのHWE反応を利用した蛍光性共役スチルベン系化合物の合成とその光化学的挙動についても検討している。


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西井 良典 (にしい よしのり) 准教授 nishii@shinshu-u.ac.jp

西井研究室では、
1) 新しい高選択的有機合成反応の開発
2) 生理活性物質および機能性有機分子の合成
を目指して研究しております。1)には高立体選択的、高位置選択的、高エナンチオ選択的(不斉)反応が含まれています。これらの反応を開発して、2)の合成に応用します。これらの研究は、医農薬のリード化合物の合成や有機電子材料の候補になる物質の合成を扱っていますので、理学、工学、農学、薬学の境界領域を含む有機合成研究です。信州大学内でも、理学、工学、農学の有機化学分野の研究室とも有機化学ジョイントセミナーという形態で交流しております。


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