信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 暑熱順化過程における運動時深部体温上昇と前腕皮膚温下降の関係

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.10 Vol.10

 要旨

 鍛練した男子大学生3名を被験者とし,暑熱環境下(Ta;50℃,r.h.;40%)に順化する10日間の過程での運動時(75W,30分)の深部体温上昇と,コントロール運動時の前腕皮膚温下降との関係を検討した,コントロール運動時の環境条件(Ta;28℃,r.h.;40%)と運動強度(75W,10分)は,皮膚温が比較的高く,しかも発汗の関与しない条件であることから設定した.暑熱環境下での運動2日目の終末値直腸温は39.0℃と最も高く,以後次第に下降した.一方,前腕皮膚温は,5日目以降の終末値が次第に上昇した.そこで5日目から8日目の直腸温と前腕皮層温の相関関係をみると負の相関を示した(r=-0.72).
 以上の結果,暑熱順化形成過程における運動時深部体温上昇水準の下降と前腕皮膚温下降水準の上昇する関係がみられた.このことは,運動時深部体温上昇が皮膚温下降による熱放散の減少も一因であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大貫義人, 木村ちはる, 丹羽健市, 荒木善行
大学・機関名 山形大学

キーワード

深部体温前腕皮膚温暑熱順化