妊婦のスポーツ活動が胎児に及ぼす直接的,短期的影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.10 Vol.10】
要旨
妊娠期間中をより快適に,健康に過ごすためにとスポーツを行う妊婦が多くなってきている.
各種妊婦スポーツが実施され,妊娠・分娩経過および胎児発育などに及ぼす悪影響は報告されていない.しかし,その実施内容は経験的に行われており,運動負荷強度の適正度,安全性などの運動プログラムに関する検討は行われていない.
本研究では,妊婦に対しトレッドミル運動負荷試験を実施し,妊婦スポーツが胎児に及ぼす直接的影響として,胎児心拍数の変動を検討した.
妊婦の運動負荷試験における胎児心拍数は,母体運動負荷強度が大きい時に検出不可能となることもあるが,大きな変動は認められない.しかし,運動終了後に軽度頻脈を短時間ではあるが認めた.
以上の成績より,妊婦のスポーツ活動による軽度子宮収縮の結果として,子宮一胎盤循環量が減少することにより,運動後に一過性の胎児心拍数の増加をきたしている可能性が示唆される.
「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
妊娠期間中をより快適に,健康に過ごすためにとスポーツを行う妊婦が多くなってきている.
各種妊婦スポーツが実施され,妊娠・分娩経過および胎児発育などに及ぼす悪影響は報告されていない.しかし,その実施内容は経験的に行われており,運動負荷強度の適正度,安全性などの運動プログラムに関する検討は行われていない.
本研究では,妊婦に対しトレッドミル運動負荷試験を実施し,妊婦スポーツが胎児に及ぼす直接的影響として,胎児心拍数の変動を検討した.
妊婦の運動負荷試験における胎児心拍数は,母体運動負荷強度が大きい時に検出不可能となることもあるが,大きな変動は認められない.しかし,運動終了後に軽度頻脈を短時間ではあるが認めた.
以上の成績より,妊婦のスポーツ活動による軽度子宮収縮の結果として,子宮一胎盤循環量が減少することにより,運動後に一過性の胎児心拍数の増加をきたしている可能性が示唆される.
「デサントスポーツ科学」第10巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 目崎登, 佐々木純一, 鍋島雄一, 本部正樹, 浅野勝己 |
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大学・機関名 | 筑波大学 |
キーワード