信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツによる分泌型免疫の変動についての研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.13 Vol.13

 トップアスリートといわれる一流の競技選手が,上気道感染症によって体調をくずす例が少なくない.この感染症予防に関連ある唾液内分泌型体液性免疫に,運動負荷が与える影響を知ろうとして,主として20歳代の非選手群と選手群を対象に調査した.
 前者は大学院生男女5例で,目標心拍数の75%強度で15分間持続する運動を負荷し,その前後の唾液内の免疫グロブリンA(immunoglobulin A,IgA)を測定した.後者は日本大学スキー部の距離競技選手6人で,標高1,300m前後のスーパー林道での,3時間を超える持久走を含む,3日間の秋季特別強化合宿の前後での変化を測定した.
 前者では負荷直後に低下した1例を除き,他は直後には上昇するがその後一旦低下し,48時間後に再び上昇するものがある.後者では,合宿3日目には1例を除いて低下し,同日の持久走で上昇する例と低下する例があった.その後低下した例は逆に上昇し,上昇した例は低下する傾向があった.合宿終了時には5例は合宿前より低下し,上昇したものはわずかに1例であった.

「デサントスポーツ科学」第13巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 森健躬, 上村律子
大学・機関名 日本大学

キーワード

分泌型体液性免疫影響免疫グロブリンA持久走