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生物学コースの高梨功次郎准教授らの研究グループが、ムラサキ科植物のシコニン誘導体を生産する酵素を同定しました。

2024年1月22日
【研究成果のポイント】

・6種のムラサキ科植物からシコニン修飾酵素を計23分子種単離して機能解析した。
・解析した23分子種は酵素活性および細胞内局在の違いから5つのグループに分かれた。
・これらの酵素はムラサキ科植物が作るシコニン誘導体の多様化に関与していた。

高梨功次郎 理学科生物学コース准教授の研究室では、押切春佳 総合理工学専攻 生物・生命科学分野博士課程学生、山本浩文 東洋大学教授、矢崎一史 京都大学教授らの研究グループは、ムラサキ科植物が生産するシコニン・アルカニン類縁体の生合成に関与するアシル基転移酵素23分子種の機能解析を行いました。

ムラサキ科植物は多様なアシル化シコニンを生産します。以前にムラサキ科ムラサキでエナンチオマー特異的なアシル基転移酵素を同定した本研究グループは、アシル基転移酵素のオルソログの機能分化の有無を調べるため、6種のムラサキ科植物から23分子種のオルソログを単離しました。

これらの酵素は、シコニン特異的とそのエナンチオマーであるアルカニン特異的に大きく分かれ、さらに細胞内局在がミトコンドリア型と細胞質型に分かれました。これらの特性およびアシル基選好性はムラサキ科植物間でよく保存されていました。さらに、エキウムとムラサキの2種において、シコニン:アルカニン誘導体生産比と対応するアシル基転移酵素の発現量の間に相関が見られたことから、これらの酵素がアシル化シコニンの多様化に関与していることが明らかになりました。

本成果をまとめた論文は日本植物生理学会が発行する Plant & Cell Physiology 誌に掲載予定で、先行して同誌電子版に12月11日より公開されています。
【論文タイトルと著者等】
タイトル:Comparative Analysis of Shikonin and Alkannin Acyltransferases Reveals Their Functional Conservation in Boraginaceae
著者:
押切春佳 (信州大学)
李豪   (京都大学)
眞辺美咲 (信州大学)
山本浩文 (東洋大学)
矢崎一史 (京都大学)
高梨功次郎(信州大学)

掲載誌:Plant & Cell Physiology
DOI:10.1093/pcp/pcad158

【論文詳細ページ】
Plant & Cell Physiology

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