現在の研究テーマ : 磁性がからむ新機能材料(合金)についての基礎研究
強磁性形状記憶材料
磁場印加により変位あるいは応力を発生する材料(電磁気-機械エネルギー変換材料)で, 微小アクチュエータ, ナノ精度位置決め機構などのマイクロメカトロニクスや超音波発生, 応力トルクセンサなどの機器に応用可能である. L2\(_1\)という結晶構造を持つ(ホイスラー合金), Ni-Mn-In合金などが有力である.

通常の形状記憶合金 強磁性形状記憶合金
磁気冷凍材料
フロンなどを用いない, 環境に優しい冷凍法に用いる磁性材料. (代替フロンについても二酸化炭素の数千倍から数万倍もの温暖化作用があるといわれている.) 磁気冷凍は, コンプレッサが不要で動力が少なくてすむため,エネルギー効率が高い(省エネ). 他に、 作業物質が固体であるので小型軽量化が可能で低雑音,低振動という利点がある。

気一液相転移 磁気相転移
磁化の温度変化が大きいと、大きなエントロピー変化が得られる.

\(La(Fe,Si)_{13}H_x\)という物質が有力であるが、\(Fe(Si,Ge)\)など他に有効な物質がないか探索中である。

実験装置

磁化測定装置

核磁気共鳴測定装置

超伝導磁石

x線回折装置
この他に, 試料作成用電気炉(高周波誘導炉, トリアーク炉, マッフル炉), 電気抵抗測定装置,メスバウアー効果測定装置(線源:\(^{119m}Sn, ^{57}Co\)), 冷凍機(4K-室温)があり、これらを用いて新素材探求のための基礎研究を行っている.

\(Nd_{2}Fe_{14}B\)(ネオジム磁石の主成分)の結晶構造

\(Fe_{1-x}Mn_{x}Rhの^{57}Fe\)メスバウアー効果スペクトル(室温)