信州大学HOME

講座案内
  1. ホーム
  2. 講座案内
  3. ごあいさつ

ごあいさつ

信州大学加齢病態制御学講座 教授 駒津 光久
駒津 光久 教授

 当教室は昭和44年に信州大学医学部附属順応医学研究施設の臨床部門「順応内科」として発足し、いくつかの変遷を経て現在に至っております。令和元年には開講50周年を迎え、記念式典を開催させて頂きました。


 設立当時から、「世界に発信できる研究をすること」をポリシーとしております。医療の在り方も変わり、このような視点のみでは対応できない状況でもありますが、根本の理念として今後も継承してまいります。
 一方、常に大学および大学病院が果たすべき社会的使命を自覚し、診療・教育活動を通して地域医療の発展に貢献し、同時に世界に通用する国際的な医療人の育成を目指してまいります。


 昨今、医療の潮流はより上流にシフトしています。社会が医療に求めるものは、「急性期の疾患」から、その上流にある「生活習慣病」や、そのまた上流である「早期診断・治療」「発症予防」への取り組みへと向かっています。
 特に、糖尿病は日本のみならず世界中で急速な増加を認め、歴史的な視点から見ると「パンデミック」ともいえる現状です。当科の診療・研究のメインテーマとして「糖尿病」を選んだ由縁です。


 糖尿病は多岐にわたる合併症に長期間にわたり関わる必要がある奥の深い診療分野です。診療面でも、研究面でも発展性の極めて大きい領域です。当科のもう一つの柱である内分泌代謝疾患は、疾患の種類が多く、専門的な技能が求められるにもかかわらず専門家が少ないため、需要の多い分野です。診断までのプロセスが理論的であり、専門家としての力量を十分に発揮できます。
 さらに、糖尿病も内分泌疾患も全身に影響の現れる疾患であり、これらの診療を適切に行うには一つの臓器のみを診ていてはできません。必然的に、総合的な力を持ち全身を診ることのできる内科医になることが要求されます。総合的な幅の広い診療を行える力量を目指す場合に、自分のプラットフォームが「糖尿病・内分泌代謝」であることは大きな強みになります。


 当教室は伝統的に基礎研究にも力を入れてきました。したがって、「研究医志向の若手医師」が基礎研究の醍醐味を味わうには持ってこいです。研究実績、実験設備、指導者の研究力などすべての面で「研究活動」に軸足を置いた生活を目指すには最適です。当科の伝統である「世界に発信できる研究」を今後とも強力に推し進めてまいります。


 一方、女性医師などを中心にキャリアアップがスムーズにいくように十分な配慮をいたします。「臨床も研究も全力で頑張る」ということになると極めて忙しい毎日になります。しかし、ワークシェアリングなど各人のニーズに応じたキャリア形成に全面的に協力することで1人でも多くの有能な臨床医を育成するということも我々に課せられた大きな責任であると自覚しております。


 教室員全員の力を合わせて「診療・教育・研究の3本柱が、バランスよく調和した魅力ある教室」を創造するという高い理想をもって邁進していく所存です。皆様方の温かいご支援、ご指導をお願い申し上げます。