
10月7日(月)信州大学松本キャンパスにて立科町教育委員会主催「ふれあいサロン」現地研修が開催されました。立科町議会議員、教育委員会職員、町民等14名が参加し、信州大学男女共同参画推進センターの沿革と現状について関利恵子センター長、中島美帆意識啓発部門長から1時間の講義とその後30分間の質疑応答を行いました。
開催のきっかけは、現在、立科町で男女共同参画推進長期プランⅤの策定を行っているため、同じ長野県内で男女共同参画を推進している本学男女共同参画推進センターの活動について話を聞きたいとのお声がけをいただいたことでしたが、あらためて当センターの現在位置を整理することができました。
後半の質疑応答では、「40代以下の世代の家庭においては男女平等という意識が浸透していて普通のことになっていると思う」との見解に対して、関センター長からは「そう思われる中でも、意外にも『弟がいるから長女は地元の短大でと言われた』」というような学生の話を聞くこともあると聞きました。学生が家庭や社会のアンコンシャス・バイアスによる影響を受けていることを再認識するとともに、参加者からは「50代以上の世代には印刷物や集まりによる意識啓発も必要ではないか」という意見も聞かれました。また、「女性教員の比率が17.6%と低いのはなぜか」という質問に対しては、中島意識啓発部門長から「国立大学には理系が多い反面、理系を希望する女子は少ないため」との回答があり、「ガラスの天井」や「パイプラインの漏れ」の問題が指摘されました。そのほか、「管理職になりたがらない女性や、男性に任せておけばいいと考えている女性もいるから、女性側の意識改革も必要ではないか」「真の男女平等のためには制度や法律の整備が必要だと思う」等の意見があり、明確な正解はないものの、今できる精一杯の活動をし、これからも続けていくことが、『男女共同参画推進』と声高に言う必要のない社会の実現に繋がるということを再確認しました。
今回の研修では、性別によらない個々人としての真の平等社会、全ての人が配慮しあった住みやすい社会の実現のため、互いに協働し励まされるよい機会となりました。
立科町の皆様,どうもありがとうございました。