令和6年9月12日(木)、伊那市産学官連携拠点施設のINADANI SEESにて令和6年度男女共同参画セミナー~第4弾~を開催し、浜野京理事をファシリテーターに、白鳥孝伊那市長、伊那食品工業株式会社取締役の柴克宏開発本部長、本学米倉真一副学長、本学農学部准教授田中沙智先生をパネリストに招き、パネルディスカッションを行いました。Zoomによるライブ配信も実施し、96名が参加しました。
白鳥伊那市長からは、伊那市は多様性があり、様々なヒト・モノ・コトが受け入れられやすくチャレンジできるまちで、農林業や最先端技術を活かした取組み、独自のCO2削減施策を推進し、自分が感じて自分なりの暮らしを作り出せるのが魅力だと紹介がありました。また、男女共同参画については、第4次伊那市男女共同参画計画の目標値10.5%に対して8.5%と少ないのが現状であり、性別による役割分担の意識が地域や家庭には残っているものの、習慣やしきたりも変わるので今まで以上に力を入れたいと説明がありました。
米倉副学長からは信州大学の女性教員比率を上げるため、女性限定公募を行ったところ、実施した年をはじめ、女性限定公募を止めてからも増えているが、外国人教員に関してはまだ少なく、課題があると説明されました。また、留学生に県内企業への就職を促す「留JOB信州コンソーシアム」や伊那谷の地域で自治体・企業・教育機関等で組織され、主に科学技術での面で地域に貢献してきた「伊那谷アグリイノベーション推進機構」等のプラットフォームをこれからは多様な人材にもフォーカスし、新しい価値を創造するものになるよう活用していきたいと話されました。
柴開発本部長からは伊那食品工業株式会社の社員を大切にする「年輪経営」、理想とする会社経営、女性活躍の現状と課題をお話いただきました。株式は上場しない、夜勤はさせない、海外赴任はさせない、綺麗な職場を社員自ら作る、福利厚生の充実の5つのルールにより社員が幸せに感じてモチベーションが上がり、一人ひとりが輝くことで年輪のように確実に成長していく経営をされています。また、家族のようなつながりのある組織を目指し、社員と会社の間の信頼関係や安心感、助け合い(結の精神)が理想の会社組織だとしたうえで、課題はスーパーウーマンではなく、普通の女性が管理職になれるような職場を作ることと、管理者になるための養成トレーニングを受けてもらい管理職へと導くことだと話されました。
田中准教授は2013年に女性枠の教員公募に応募し、農学部では二人目の女性教員として着任しました。田中准教授からは、自分の世代は男女共同参画が浸透してきた時代で、今は個々人の男女共同参画に対する意識の変化はかなりあると説明がありました。女子学生に社会で活躍するためにどのようなハードルがあるか聞いたところ、男性が多い職場・職種を選 ぶ時にハードルが高い他、就職後の転勤、勤務時間、育休や復職に不安があることがわかり、その改善策としては企業や自治体からの情報をしっかり受け取れる仕組があること、さらに企業との間に大学が入ることで安心感が増すと述べられました。
木のぬくもりを感じる会場で質疑応答も活発に行われ、今後の男女共同参画推進に向けて一人ひとりが考える機会になりました。
多くの方にご参加、ご視聴いただきありがとうございました。
本セミナーの動画は学内限定のオンデマンドでご確認いただけます。
https://fdsd.ealps.shinshu-u.ac.jp/41/fdsd/course/view.php?id=15