ホーム >

卒業生からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

師弟と兄弟

投稿者名 鈴木 増穗 (旧姓 井上) | 投稿日 09年04月28日 | 文理学部 昭和32年卒

 オリンピックを2016年に東京で開催できるようにと麻生総理や石原都知事か懸命にアピールしています。ところで1964年の東京オリンピックの時のことですが、今は亡き大野 太郎先生が私の家に宿泊されて武道館で4日間観戦しお帰りになる時に、大田区池上の大新田先生のお宅に挨拶に行きたいと仰ったのでお送りした。すると「先生が私を弟のように接して下さいましたが、私は先生と同じくこの鈴木を弟と思って接しております」と紹介されました。在学中は勿論のこと卒業後も毎年必ず年賀状のみならずお中元やお歳暮を贈って戴いたこと等は弟と思ってして下さったことだと判り、感謝の気持ちがこみ上げて参りました。又お嬢さんの大学受験に同行して私の家に宿泊されたり、東京でのお嬢さんの結婚式の披露宴に列席させていただく栄に浴したりしましたがこれは親戚の関係と理解しておりました。又先生が他界され告別式の際に司会者から教え子代表として弔辞の指名をされましたけれども、私自身は弟としての内容の弔辞を申し述べさせていただきました。

 大野先生が最高裁長官賞を授賞され、その後更に一段上の叙勲の際も奥様とご一緒に上京されて私のホテルに宿泊されました。最高裁へも皇居の桔梗門へもお送りさせていただきましたが、松本での叙勲祝賀会の前日にはお嬢さんの運転する車で先生が松本駅まで迎えに来て下さって、お宅に宿泊させて下さり翌日は会場まで送っていただきました。在学中は土曜日に先生のお宅で先生のお母さんの手料理を度々ご馳走になりましたが、結婚されたお嬢さんの嫁ぎ先から葡萄や林檎を送っていただき、3人のお孫さんの大学受験の際は私のホテルに宿泊していただいたりして4代に亘って58年間親戚以上のお付き合いをさせていただいていることを本当に幸せなことと感じております。

 信州大学も60周年を迎える由、卒業生で大学で学んだ事の延長で成功した人も多数おられますが私は違う道に進み、その会社の社長に金庫の鍵を預けられる程に信頼され役職にも早く就けたのは「遊んだ次の日は10分早く出勤せよ、そして自分のできることを着実に懸命に実行せよ」と、大野先生に教えられたことを肝に銘じて実行したからです。25年前にホテルを開業し麻薬犯罪者逮捕の協力とか交通事故解決の協力等で警視総監の感謝状を授与され、消防庁からは開庁60周年記念で「優良防火対象物」を含めて過去の協力度を重く考慮されて長官賞を授与された事なども総て先生のお教えの賜物です。6月5日は先生のご命日ですから感謝の気持ちをお伝えすべく墓参をさせていただきます。