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安曇野市三郷温で革新的施設園芸実証ハウスの竣工式を開催

14年11月28日

ハウス内部の様子。ホースに水を流し、作物にピンポイントで熱を伝える

ハウス内部の様子。ホースに水を流し、作物にピンポイントで熱を伝える

  安曇野市三郷温に設置された、革新的施設園芸実証ハウスの竣工式が11月25日に開催されました。


  2,000平方メートルのビニールハウス2棟からなる本施設には、地下水を熱源として利用する冷暖房システムを導入。年間を通して施設内の温度を適温に保ちながら、施設園芸作物栽培の低コスト・高品質な周年安定技術の実証実験を行います。

  本事業は、農水省が公募した「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」に採択されたプロジェクトの一環として、藤縄克之名誉教授・特任教授(農学博士)が中心となり、産学官連携チームが開発を進めてきました。

  地下水を熱源とし、石油を利用しないことで従来と比較して60%のコスト削減が見込めることに加え、採熱後の地下水はそのまま地下に還元するため環境への負荷が小さく、夏季には冷房も可能なため、作物を周年供給できるというこの画期的システムの活用に多方面から期待が広がっています。

 

  式典の開会挨拶で藤縄教授は、「この施設の建設に関わっていただいたさまざまな方のご尽力によって無事この日を迎えられました」と集まった参加者らに向かって感謝の言葉を述べました。

  その後の来賓挨拶では、地元安曇野市の宮澤宗弘市長が、「この施設がこれからの安曇野、ひいては日本の農業振興や、地域のエネルギー・環境を考えるうえで重要な拠点となることを願う」と力をこめました。

  また信州大学の三浦義正理事(産学官・社会連携、国際学術交流、情報担当)は、「これからの農業には工学的な技術が必要になってくる」と語ったうえで、「農業関係者、工業関係者が知恵を集めて新しい産業が地域に発展していったらうれしい」と、今後への期待を語りました。

 

  2棟のハウスにはそれぞれイチゴとトマトを栽培。栽培するイチゴは農学部が開発した夏秋イチゴ「信大BS8-9」を使用します。両作物において30%の収量向上を目標としています。

施設の完成を受け、参加者に感謝を述べる藤縄克之名誉教授

施設の完成を受け、参加者に感謝を述べる藤縄克之名誉教授

宮澤宗弘 安曇野市長

宮澤宗弘 安曇野市長

三浦義正 信州大学理事

三浦義正 信州大学理事