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国立フィンランド測地研究所(FGI)と大学間協定を締結

14年06月03日

写真1 大学間協定の協定調印式  (左:国立フィンランド測地研究所Jarkko Koskinen 所長、右:山岳科学研究所加藤正人所長)

写真1 大学間協定の協定調印式  (左:国立フィンランド測地研究所Jarkko Koskinen 所長、右:山岳科学研究所加藤正人所長)

  信州大学と国立フィンランド測地研究所(FGI:Finnish Geodetic Institute)は大学間協定を締結いたしました。先鋭領域融合研究群の山岳科学研究所は、国際山岳連携研究室と5研究部門からなり、研究の骨太の柱は部門間を融合する三次元レーザーのセンシング研究です。当該分野の世界的権威最先端レーザー研究所(CoLSR:Center of Excellence Laser Scanning)のJuha Hyyppa所長を招聘し、国際共同研究を進めていく予定です。そこで、CoLSRの親組織であるFGIと信州大学との学術交流協定を進めるため、山岳科学研究所加藤正人所長が、5月27日にFGIを訪問し、Dr. Jarkko Koskinen所長と調印式を行いました(写真1)。引き続き、加藤所長が「リモートセンシングによる日本の森林資源管理」について講演を行いました(写真2)。
   CoLSR はフィンランドを代表する研究機関や大学で構成され、FGI、ヘルシンキ大学(UH:University of Helsinki)、アルト大学(Aalto University,旧フィンランド工科大学、芸術大学が統合された大学)、オウル大学(University of Oulu)から選抜された約30名の研究者からなる研究所であり、世界的プロジェクトを推進しています。CoLSRの所長で、FGIのリモートセンシング研究部長であるJuha Hyyppa教授は、Google Scholoarにおいて5,000件以上の引用論文があり、EU、フィンランドアカデミーのエクセレント科学者としても登録され、レーザー計測に関する世界的な研究者です。レーザー研究は、詳細な三次元計測が可能であり、山岳地形、森林、雪氷、河床、建物、人工構造物や車を対象に、スキャニングセンサーと搭載するUAVなどのプラットフォーム、自動計測ロボティクスと融合した最先端分野の研究領域です。航空機や人工衛星からのレーザー計測(LiDAR)、地上レーザースキャナー(TLS)、車体や無人ラジコンヘリ(UAV)や歩行する人間に搭載するモバイルレーザースキャナー(MLS)など応用範囲が急速に広がっています。
   人工衛星や航空機の光学センサ、多波長(ハイパー)センサ、人工衛星レーダー(SAR)に関して研究実績のある加藤正人教授ですが、新技術のレーザー研究を加えることで、分野融合により新たなイノベーション創出につなげる考えです。6月26日から2週間、CoLSR主催のレーザー計測の国際共同研究に、研究室の6名の学生を連れてフィンランド国で世界の研究者たちと交流し、国際共同研究を開始し(写真3)、来年1月には、Juha Hyyppa教授を特別招へい教授として招へいし、特別講義を行う予定です。今後、信州大学が目指す、特色を生かした世界的な研究拠点づくりとグローバル人材育成に力を入れていきます。

相手機関のホームページ
・国立フィンランド測地研究所(FGI)  http://www.fgi.fi/fgi/
・フィンランド最先端レー ザー研究所(CoLSR) http://www.fgi.fi/coelasr/
・Hyyppa教授 (フィンランド最先端レーザー研究所長)
http://scholar.google.com/citations?user=tKnUIIcAAAAJ

写真2 「リモートセンシングによる日本の森林資源管理」についての講演

写真2 「リモートセンシングによる日本の森林資源管理」についての講演

写真3 最先端レーザー研究所(CoLSR)の主要メンバーとヌクーシオ国立公園の国際共同研究のレーザー調査地を視察。左から、Dr. Risto Kaijaluoto(FGI)、Prof. Juha Hyyppa(FGI)、Dr. Eetu Puttonen (FGI)、Prof. Markus Holopainen (UH)、加藤正人教授、Dr. Mikko Vastaranta(UH)

写真3 最先端レーザー研究所(CoLSR)の主要メンバーとヌクーシオ国立公園の国際共同研究のレーザー調査地を視察。左から、Dr. Risto Kaijaluoto(FGI)、Prof. Juha Hyyppa(FGI)、Dr. Eetu Puttonen (FGI)、Prof. Markus Holopainen (UH)、加藤正人教授、Dr. Mikko Vastaranta(UH)