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とっておき理科授業

下記より講義の動画をご覧いただけます。

炭酸飲料を使った火山噴火実験

竹下欣宏先生(地学)の講義

新燃岳で噴火活動が続いています。2009年2月には浅間山で噴火が起きました。火山は噴火する、ということは誰もが知っていますが、なぜ噴火するの?と質問されると、答えに窮する方もいるのではないでしょうか。この実験では、炭酸飲料とラムネ菓子を使って噴火を再現してみます。
孔がたくさんあいた軽石も、噴火の仕組みを知るヒントを我々に教えてくれています。炭酸飲料の噴火と軽石に、どんな「共通点」があるのか、それがこの実験のポイントです。

蛍の光を再現しよう

伊藤冬樹先生(化学)の講義

ホタルの発光はホタルの体内にあるルシフェラーゼという酵素が発光物質ルシフェリンに作用することによって生じています。ここでは、市販のホタライトを使って、蛍の光を試験管の中で再現してみます。酵素は生体触媒であるので、酵素特有の性質(熱や液性の影響)を光で調べることも出来ます。

吸水性ポリマーを用いた燃料電池の作成

伊藤冬樹先生(化学)の講義

燃料電池は、エネルギー問題・環境問題を解決できる次世代のエネルギー源として注目を集めています。小中学校でモデルとして市販されている教材キットは比較的高額です。ここでは、吸水性ポリマーを用いて、500円以下で出来る燃料電池を紹介します。吸水性ポリマーは、紙おむつ、消臭剤などに用いられています。水の電気分解の逆過程である燃料電池の基本原理を体感しましょう。

資料提供:ケニス

液体窒素を使った低温実験(1)

神原 浩先生(物理)の講義

液体窒素は無色透明、1気圧の下での沸点は絶対温度で77.3 K(摂氏温度で-196℃)というとても冷たい液体です。
液体窒素を使って、液体酸素をつくる実験や固体窒素をつくる実験をご紹介します。

トレーに液体窒素を注いでみる

トレーに液体窒素を注いでみると、液体窒素に対して室温のトレーは十分高温なので、激しく沸騰しているのが分かります。

  • 磁石を近づけてみる。
    はじめは液体が激しく沸騰してでたらめに動き回っていて、磁石には反応しません。
    しかし、しばらくたって磁石を近づけてみると、液体が磁石に引き寄せられます。
  • 線香の火を近づけてみる。
    はじめは当然!?すぐ消えました。
    ところが、しばらくたって再び線香の火を液体に近づけてみますと、なんと線香が激しく燃え始めました。

これはなぜでしょう?

空気の成分は窒素が約78%、酸素が約21%となっています。
実は、しばらくたった後は、空気中の酸素が液化して、液体窒素と液体酸素の混合物になっていたのです。

→液体窒素を使った低温実験(2)に続きます。

液体窒素を使った低温実験(2)

酸素を液化してみる

それでは100%酸素だけを冷却してみましょう。風船に酸素をつめて試験管につなぎます。
その試験管を液体窒素で冷却します。
酸素が液体となっていき、風船がどんどんしぼんでいきます。

液体酸素を見てみましょう。液体酸素には色がついていて、薄い水色をしています。
磁石を近づけてみると液体酸素が強烈に磁石に引き寄せられ、試験管が傾くくらい強い力で引き寄せられます。

<液体酸素が磁石につく理由>
これは、大学で量子力学や量子化学という分野を学習すると初めてその理由が分かります。
酸素原子は2個で1個の酸素分子を形成しますが、酸素分子の16個の電子は、量子力学的に許されたエネルギー準位に低い方から順に埋まっていきます。
電子には"スピン"という磁石の起源となる特性が備わっており、スピンを互いに打ち消し合うようにして電子2個づつでエネルギー準位を埋めていきますが、酸素分子の場合、スピンが打ち消されないものが2個残り、それが磁性の起源となります。ちなみに窒素分子の場合、14個の電子は、スピンを互いに打ち消し合って磁性は示しません。

<液体酸素が薄い水色を示す理由>
液体酸素が常磁性を示す理由は打ち消されずに残った電子スピンによるものですが、それが酸素分子の電子状態としては最もエネルギーの低い状態(基底状態)になっています。
しかし、電子は光のエネルギーをもらって、エネルギーの高い状態(励起状態)に上がることができます。大事なことは、どんな光のエネルギーでもよい(連続的)というわけではなくて、吸収する光エネルギーはとびとびになっている(離散化)ということです。酸素分子の場合は、ちょうど可視光の赤色に相当する光(630 nm)が、酸素分子2個をそれぞれの励起状態に励起するのにちょうどマッチしたエネルギーであり、可視光から赤色が吸収された結果、薄い水色に色づいて見えます。
酸素分子2個で1光子の吸収なので、凝縮状態である液体酸素となってはじめて色が見え、気体酸素は無色透明です。

→液体窒素を使った低温実験(3)に続きます。

液体窒素を使った低温実験(3)

液体窒素を固体にする

液体窒素をさらに冷却するとどうなるでしょうか?
液体窒素を入れたビーカーを真空容器に入れ、真空ポンプで減圧していきます。
すると、蒸発冷却が起こり、液体の温度が下がっていきます。これは、液体が気体となる際、潜熱を必要とするため、液体から熱エネルギーが奪われることによるものです。
真空引きを続けて、ある圧力(0.13気圧)に到達すると圧力変化が止まり、固体窒素が現れてきます。このとき、窒素の気体、液体、固体の3相が共存した状態になっており、これは3重点とよばれています。3重点の温度は63 K(-210℃)です。
さらにしばらく真空引きを続けていくと、液体がなくなり、窒素の気体と固体のみが共存した状態になり、圧力は再び低下していきます。
【下記図を参照してください】
窒素の状態図

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