信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 人間の動きを考慮に入れたヤリの最適投射条件

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.17 Vol.17

 本研究では,人間によって投げられるということを考慮して,やり投げの最適投射条件を検討した.3種類のヤリを7人のやり投げ競技籍に投げさせた.投射中の対象物は高速度ビデオカメラによって200fpsで収録された.ヤリの挙動はリリース時のヤリのたわみを考慮して分析された.結果は以下のとおりであった.
 実際の投てき距離は初速度蟹投射高,投射角の3変量から算出された理論投てき距離よりも大きかった.初速度が高いほど投てき距離は大きく,両者は1次式の直線関係に近い傾向であった.
 投射高は同一競技者内ではほとんど同じ値であり,競技者の身長と投げの技術に影響される変量であった。初速度が最も高くなる最適投射角が計算され,競技者によって値が異なること,この方法がやり投げにおいて最適投射角を測定する唯一の方法であることが示唆された.
 投てき距離が最大となる最適値が計算され,姿勢角に関して35.2deg,迎え角に関して-0.6deg,ピッチングモーメントに関して-3.2Nmであった.最適投射条件を考察するとき,これらのリリースパラメータが相互に影響していることを考慮しておく必要がある.

「デサントスポーツ科学」第17巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 前田正登*1, 野村治夫*1, 柳田泰義*1, 宮垣盛男*2
大学・機関名 *1 神戸大学, *2 姫路濁協大学

キーワード

やり投げ最適投射条件高速度ビデオカメラ