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研究・社会貢献

がんプロフェッショナル養成プラン

「がんプロ」で研究と臨床の両立を-がんの専門医から専門家へ-


小泉 知展 教授
包括的がん治療学講座 教授 小泉 知展

 平成24年度から始まる「がんプロ」は、平成19年度に始まった初期「がんプロ」での達成を踏まえ、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランとして新たなスタートを切りました。平成24年度の入学生からが対象で、5年間のプロジェクトとなります。博士課程に進む院生が、同時にがんの治療に関する専門医の資格も取れる「ダブルライセンス」を推進するため、包括的がん治療の講座を設けるなど、専門分化している現在のがん治療体制を抜本的に見直す取り組みとなります。これは、がんの専門医ではなく、がんの「専門家」を養成するプロジェクトといってもいいでしょう。専門家とは、未来の医療の発展のため、トランスレーショナルリサーチ(新しい医療の開発し、臨床試験を経てそれらを日常医療へ普及させるまでの一連の研究)に積極的に取り組む、リサーチマインドを持った専門医ということです。

 今回の「がんプロ」では、放射線治療専門医、がん薬物専門医、緩和医療専門医の育成に重点的に取り組みます。CTスキャンなどの放射線診断は根づいていますが、放射線を使った治療が有効な患者さんでも、放射線治療を受けられる方はそのうちの約25%と、欧米に比べると半分程度の水準です。これは、放射線治療専門医が不足していることが大きな要因なのです。がん薬物専門医もやはり不足しています。がんを発症部位を超えて臓器横断的に扱う「メディカルオンコロジー」という考えが浸透しなければ、がん薬物専門医の不足は解消されないでしょう。緩和医療専門医も、終末期医療の範囲を超えて、一般診療に浸透させていかなければいけません。

 信州大学医学部の「がんプロ」では、基礎系と臨床系の2つのコースを用意しています。また、院所属の講座と包括的がん治療講座が連携した担任制度を設けています。基礎系はがんに関する基礎研究を通じて博士課程の研究を行い、包括的がん治療学講座での臨床研修期間を設けます。一方の臨床系では、臨床研究の立案・実行・解析を行います。包括的がん治療学講座で多がん種を扱い、また、幅広い治療を経験することもできます。このように、博士号取得のための研究と、専門医取得のための臨床研鑽期間が有機的に結びついていることが、この「がんプロ」の特徴となっています。信州大学では、樹状細胞の免疫療法に大学をあげて取り組んでいることもあり、このがんプロフェッショナル養成基盤推進プランは、がん専門医を目指す大学院生に対しては、魅力的なプログラムとなっています。研究と臨床を並行して行える信州大学医学部で、がんの専門家を目指してがんばりましょう。

さらに詳しくは、
がんプロフェッショナル養成基盤推進プランのページをご覧ください。 専用サイト