日本産業衛生学会 北陸甲信越地方会

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北陸甲信越地方会 地方会長挨拶



  信州大学医学部
  衛生学公衆衛生学教室 教授
  野見山 哲生






 2017年3月より、中川秀昭前地方会長に代わり、日本産業衛生学会北陸甲信越地方会の地方会長を務めております野見山哲生です。どうか宜しくお願いします。地方会長として、ご挨拶と抱負を述べさせていただきたいと思います。
 北陸甲信越地方会は、昭和27年から新潟医科大学赤崎兼義教授、昭和31年から新潟大学医学部の渡辺厳一教授を地方会長として活動としてきたものを、昭和33年信州大学医学部衛生学の小松富三男教授を地方会長とし、松本市で創立総会を開催し、正式に発会した信越北陸地方会に源を発します。その後昭和47年に山梨県が加わり北陸甲信越地方会と名称を変え、現在に至っています。
 本地方会を構成する6県(石川、福井、富山、山梨、長野、新潟)では、いわゆる中小企業の従業員割合は87.1%であり、全国の70.1%、東京43%を代表する都市圏と比して高く、小規模企業の従業員割合も34.2%であり、全国23.5%、東京9.7%と比して高い状況にあります。中小企業における労働災害の状況を、従業員規模別(100人以上の統計)の労働災害率(度数率、強度率)でみると、災害発生の頻度を表す度数率は、1002992.203004991.525009991.061,000人以上0.39、災害の重さの程度を表す強度率は、それぞれ0.080.090.040.03で、規模が小さくなると労働災害の頻度が明らかに増え、強度も重くなっており、労働災害という観点から、中小企業は大企業に比し環境が良くない状況が分かります。中小企業では産業保健に係わる専門職がいない場合も多く、体制は大企業と比して十分で無く、専門職、スタッフが各職種の役割を超えて業務を行う必要性も生じます。更に、有害業務や職場環境も、大企業では対応済みの状況に直面し、対応を求められる場面もあり、より多様で多面な知識と経験が求められます。
 以上のような特徴を持つことから、本地方会の会員が、労働者に等しく産業保健サービスが届けることができるよう、学びの多い地方会にできればと思っています。そのために、産業保健の現場で活躍する本地方会のメンバーが増え、職場の産業保健活動に役立つ研究や活動が学会発表、論文という形で発信できるよう、地方会内の活動がより活性化するよう支援して参りたいと思います。この地方会報も、本学会、地方会がどのような動きをし、どのようなメンバーで活動しているか、が伝わるような役割を果たせればと思います。
 皆で切磋琢磨し、力を合わせ活動していきたいと考えています。今後の地方会運営に、皆様には忌憚の無いご意見をお寄せ頂ければ幸いです。今後も宜しくお願い申し上げます。

参考資料:
2016年版中小企業白書
平成27年労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上))平成284月及び総合工事業調査)の概況

 

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