産科婦人科学教室の紹介
当教室は、信州大学医学部の前身である松本医学専門学校時代に開講された歴史ある教室であり、初代南茂夫教授以下、二代目岩井正二教授、三代目福田透教授、四代目藤井信吾教授、五代目教授小西郁生教授と引き継がれ、平成20年6月第六代教授として塩沢丹里教授が着任した。
創設以来当教室は、長野県産婦人科医療の中心を担っており、県内の基幹病院の多くを関連病院とし教室から巣立った多くの諸先輩が県下産婦人科医療の第一線で活躍中である。教室同門会は巌松会と称し、例年定期的に集まりを持ち先輩後輩の交流を深めており、地域医療の場でも密接な関係をもちながら診療にあたっている。
教室員は、若さ溢れる教室である。また、当教室は女性医師が多いことも特徴的で、医局の雰囲気は和気あいあいと明るく、例年親睦行事も多く、医局野球では毎年上位進出を果たすなど遊びの面でも話題にこと欠かない。
現在の産科婦人科学領域はさらに専門化が進み、周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学の3つの部門を柱として臨床、研究が進められている。
附属病院の診療は、産科、婦人科、妊孕科(不妊症不育症)の3つの外来が連日開かれ、それぞれの部門に関する診療を専門的に行っている。
周産期部門では、正常妊娠分娩の管理の他、合併症を持つ妊婦や胎児異常の妊娠分娩管理を得意とし広く全県下より紹介患者を受け入れている。分娩部には小児科のNICUが並び、早産児・低出生体重児や合併症を持つ新生児に対し迅速な対応をして頂いている。また病院の遺伝子診療部にも積極的に参加し、出生前診断の問題にも関わっている。
婦人科部門は子宮癌、卵巣癌、子宮筋腫、子宮内膜症などの良性悪性腫瘍の治療を中心とした診療を行い、腫瘍の発生機序や腫瘍の持つ生物学的性格の解明に病理学的・分子生物学的手法を用いた研究が進められている。
生殖医療部門ではあらゆる原因による不妊症不育症に対する診療を行いながら、特に急増する男性不妊・子宮内膜症・性行為感染症による卵管不妊に対応し、体外受精胚移植・顕微授精・腹腔鏡などの内視鏡による診断と治療を積極的に進めている。