活動報告

令和7年度 長野県医学生修学資金貸与者に対するキャリア形成支援

地域枠学生および修学資金貸与者に対し、早期から現場感覚を養う教育機会を提供することは、卒業後の円滑な移行と地域医療への定着において極めて重要です。本年度は以下の4つの柱に基づき、意識醸成とネットワーク構築を推進しました。


1. 地域病院見学会の実施(低学年対象)

2年生を対象に、県内各地の病院を訪問。地域医療の最前線を視察し、将来の働く姿を早期にイメージする機会を提供しました。

参加人数: 22名

実施実績:

8月25日・26日:岡谷市民病院

8月27日:浅間南麓こもろ医療センター、浅間総合病院、国立病院機構東長野病院

9月2日:飯田市立病院、松本市立病院

9月3日:長野松代総合病院

2. 地域医療実習の多角的展開
診療所から県立病院まで、多様な規模・機能を持つ施設での実習を体系化しました。学生が「地域医療」の重層的な役割を理解することで、専門性を備えつつ地域に根ざす医師像の具現化に寄与しています。
参加人数: 計25名
主な実習先:
8月4日・18日・3月9日:市立大町総合病院
8月18日・25日・3月16日:佐久総合病院付属小海分院、町立辰野病院
8月18日:県立阿南病院、小谷村診療所、県立木曽病院
8月19日・26日:依田窪病院

3. 地域枠セミナーの開催:アイデンティティの確立
全5回のセミナーを通じ、医師としての「生き方」そのものを問う教育を展開しました。多角的な視点に触れることで、学生の意識を「貸与の義務」という制約から「地域医療を担う誇り」へと転換させる不可欠な礎となっています。

第1回(6/24): 「地域に根ざす医療」中井 和男 先生(小谷村診療所長)
第2回(8/24): 「医師の強みと活かし方」吉田 穂波 先生(神奈川県立保健福祉大学大学院 教授)
第3回(9/13): 「生体肝移植ドナーの経験」宮澤 崇史 氏(元自転車プロロードレーサー)
第4回(11/8): 「夢を持って生きることは本当に楽しい」盛田 大介 先生(長野県立こども病院)
第5回(2/18): 「心臓血管外科医として」和田 有子 先生(信州大学医学部附属病院)


4. 修学資金貸与学生を対象とした研修会・交流会
学生間および現役医師との継続的なネットワーク構築を目的としています。将来、県内各地に赴任した際の円滑な多施設連携の基盤となるほか、現役医師との対話が学生の不安を「期待」へと昇華させています。
現場研修(8/22・諏訪赤十字病院 / 29名): 高度医療現場と地域連携の実際を学習。
夏季交流会(8/25 / 81名): 吉田 穂波 先生による講演、貸与医師による現状報告、グループ懇談。
秋季研修会(10/26・オンライン / 52名): 南郷 栄秀 先生(聖母病院)による「EBMの基礎:エビデンスの吟味と適用」。
春季研修会(3/7 / 64名): 中澤 勇一 先生(地域医療推進学教室)による「Learn-Unlearn」講義、および現役医師3名を交えた座談会「修学資金貸与制度と私」