「対話型アート鑑賞会」を開催しました
2024.8. 1更新
7月24日(水)森永康平先生をファシリテーターにお迎えして 松本市美術館にて、教室配属の4年生6名の学生がギャラリートーク(絵画6点)を行いました。
以下が学生の感想です。
※普段は絵画の説明を読んで分かったつもりになっているだけですが、実際に自分の感じたことを言葉にしてみると、自分なりに感じられることがあるんだなと気づきました。観察や思考も自転車に乗るのと同じとお聞きして、自分でも解釈ができるかもしれないと感じるとともにその鍛錬には時間がかかりそうだと思いました。また、知る前の自分には戻れないという事でしたが、医療でも一度先入観を持ってみてしまうとそれ以外の見方ができなくなってしまうと考えられます。美術の鑑賞ではありましたがそれが医療に繋がるのは新しい発見でした。非常に面白かったです。
※医療とアートについて、アート療法など患者さんにとってのアートの利点は聞いたことがあったが、アートと診断する医師との関係にについてイメージは今までなかった。
今回、講義を受けて、確かに観察力は学校で習わないし、これからAIが益々発展していく未来で大切な力は、見たもの、聞いたもの、知りたいものを言葉で表現して伝えることが非常に大切だと感じたので、対話型鑑賞を通して、トレーニングができることはとても面白いし、学校でも取り入れてほしい。また、先入観なしで見るというのは、先入観を取り除いて診断をするということに似ており、難しいと感じた。
※まず、松本市美術館で、6人で1つの絵を見ながらあーだこーだと話し合うことが出来て、とても楽しかった。自分1人で静かに絵を見るのとは違い、自分と違う視点を持った友達の考えを聞くことで、「こんな見方もあるんだ」という気付きがたくさんあった。着眼点も人それぞれで、1人1人の個性が出ていたな、と思った。また、解説を見ずに絵を注意深く観察することで、絵についての想像力を膨らますことができ、面白かった。
森永先生のレクチャーの冒頭で、セブンイレブンの看板をどれだけ覚えているか、というものをやったが、毎日見ているはずなのに全然思い出せず、「見る」と「観る」が全くの別物であるのだと体感することが出来た。そして、アート鑑賞と医療の繋がりを全く意識していなかったが、「気付き」が重要である、という点において医療に活かせるのだと教わり、驚きはあったがすごく納得でき、興味深いと感じた。
※セブンイレブンのマークやカップヌードルの容器のように普段よく見るようなものでも意外と具体的なデザインを覚えていないことに驚きました。また、対話型鑑賞でも他の人に言われて初めて気づく部分が多く、「満遍なく見る」という意識をもっていないと色々なことを見逃してしまう怖さを感じました。医師になったときに、患者さんをしっかり見たら分かることを見逃してしまわないように気をつけようと思いました。
また、絵を見て自分の考えたことや感じたことを言葉にすることは難しい部分も多かったですが、他の人の話を聞いて自分が気づかなかった部分を知ることができたり、自分とは異なる考えを知ることができたりして楽しかったです。
※観察力の大切さを学んだ。
対話型で一つの作品について自分が見えたものやそれに対する考え、解釈を交換するのは病院内で言う患者一人一人に対して行われるカンファレンスに似たものを感じた。この実習期間ではカンファレンスで異なる意見を持った医師が話し合い治療を見つけていく姿をよく目にしたがそこでも自分が見えている患者像と治療方針についての意見を交換し他者の視点も聞き患者への理解を深めていた。その仕組みは対話型鑑賞同じであると思い、今回の経験は将来のための良い練習になった。