活動報告

第3回『深志課題探究ゼミ2021』をオンラインで開催しました。

第3回目の松本深志高校1年生を対象とした『深志課題探究ゼミ2021』を11月27日(土)にオンラインで開催しました。松本深志高校から40名、信州大学医学部医学科地域枠1、2年生22名が参加しました。

テーマ:納得して医療を行うためのEvidence-Based Medicine
講師:社会福祉法人聖母会 聖母病院総合診療科 南郷栄秀 先生

総合診療科と総合診療医の働き方のお話の後に、EBMの5つのステップ、さらに「5~11歳の子どもへの新型コロナウイルスワクチン接種」に関するシナリオを元にPICOで問題を定式化し、この11月に発表された「5~11歳の子どもへのCovid-19ワクチンの評価」に関するThe New England journal of medicineの論文を解説いただきながら吟味し、最後に同ワクチンの5~11歳の子どもへの適応についてグループで討論しました。

以下が講演の感想抜粋です。

・総合医療についてあまりくわしくなかったので、今日詳しく知れてよかったです。カメレオンのような存在というのが面白かったです。コロナワクチンについて講演を聞いて新たに知れたこともたくさんあり、より深く考え、知ることができたと思います。

・研究の結果で一見とても効果があるように見えても少し見方を変えるだけで全く違うように見えるのに驚きました。また、5~11歳の子供を対象にしたワクチン接種について実際に考えることでEBMやPICOはどのようなものか知ることができて良かったです。

・"ワクチン接種の目的として大まかに感染予防・重症化予防・感染拡大防止の3つが考えられると思いました。それぞれの目的により、ワクチン接種の是非に相違が生じるということがわかりました。"

・"見方によってワクチンを接種すべき/しなくてもいいのではないかと、意見が変わることです。私は、今まで何も知らずにワクチン接種した方がいいと思っていましたが、今日のお話を聞いてもっと色んな見方を知ることが必要だなと思いました。"

・数値の判断の仕方を具体的に説明してもらって、情報をただ鵜呑みにせずに自らそれを評価することが重要だとおもった

・世の中にはいろいろな情報があふれているが、正しい知識がないと人はいとも簡単に騙されてしまうのだと感じた。また、客観的に見ることができる情報でも、人によってとらえ方が違うのはとても面白ろかった。多分それは、その人がどこに着目しているか、どこに重点を置いているかで変わってくるのではないかと感じた。

・EBMの5つのステップの中に情報の批判的吟味というものがありますが、全ての情報を鵜呑みにするのではなく、さまざまな角度から見つめるということを実践していく必要があるということが印象深かったです。

・"子どもでも大人でも、ワクチンの効果にそれほど差がないこと。子どもにワクチンを打たせるのは、重症化しやすい高齢者に感染させないためであるという視点は、何となくわかってはいたものの言語化に至っていなかったので参考になりました。"

・個人的に興味があるけれど、漠然としたイメージしかなかった総合診療という診療科に関してクリアに話していただき、とても勉強になりました。データの算出方法まで目を向けて情報を評価できるようになりたいと思いました。価値観や優先度が人それぞれであるということ、人の意見は、周りの情報や意見に大きな影響を受けて割とすぐに変わってしまうということを感じました。臨床医になったら、医師の意見の押し付けにならない診療ができるようになりたいです。