活動報告

第4回「地域医療」(医学科3年生)講義

4月25日の第4回「地域医療」の授業では、市立大町総合病院の高木哲先生を講師にお迎えして「大町市における地域医療再生の取り組み」と題してお話しいただきました。

学生の皆さんの感想の抜粋:

・すごく多くの活動をしていることが印象的だった。病院を守るため、地球の健康を守るために、必要なことがあれば、何でも力を尽くしてみる姿勢がとてもすてきだなと思った。"専門が何科であっても、目の前の患者さんに対して、自分の精一杯をする"というのは、総合診療は目的ではなく手段だ、という前回のお話とも重なるなと思った。医師が足りない現状は、病院地域単位で解決できる面もあるが、全国的にアプローチしなければいけない問題だと思う

・医師不足の地域においては、自分の専門に関わらず、患者さんを診ていかなければならないからこそ、自分の専門をこえて、自分にできることを精一杯する、という姿勢が本当に大切だと実感した。
私の理想の医師像が"専門分野にとらわれず、苦しんでいる患者さんを診れる医師"で今日先生が話してくれたものが、まさにそれだなと思い、とても尊敬の念をおぼえた。自身の理想に近づけるよう、今後も勉学に励んでいきたいと改めて決心できた。

・高木先生は、研修医になった当初から、あこがれの医師像などといった目標というか確固としたキャリアパスのイメージはなく、むしろ色々な要素に"巻き込まれながら"外科医となったし、総合診療医的な役割を担うことになった、という経緯を聞いて人生ってむしろそういうのがリアルだよなぁと思った
よく十年後を見据えて、とかそのためのキャリアパスを考える、といった言葉を耳にすることがあるが
そんなことは無理だ。目の前に起こることに懸命に対処し考え抜きながら、ある流れにまかせて行けば、気づいたら縁あってこれだけの高みに来てしまったという風になるのが自然なキャリア(といっていいのかな)だと思う。

・自分の県内の病院の危機をほとんど知らなかった。TVか新聞では産婦人科などの医師がいなくなったときのみ報道し、興味対象にならない。地域住民は苦情を漏らし、病院に人が来なくなる。医師不足などの医療崩壊と人口減少が負のスパイラルに引きずりこまれる。そこに積極的に自ら介入する勇気は今の自分にはないと思う。自分の将来も含めどうするか、地域への恩返ししたい気持ちもあるが、最前線の高度医療を学びたい気持ちもある。良い医師とはどんなものだろうか、自己実現、社会要求、義務、使命、考えすぎといわれればそこまでだが、自分本位で考えてはいけない職業が医師である。優柔不断といわれてもいいからじっくり考える。

・自分の知らない世界があることを理解し、謙虚になることで、他の職種への敬意が生まれるという考えがよかった。どうしても、専門的な勉強ばかりすると視野が狭くなり謙虚さもなくなってしまうかもしれないが、自分の知らない世界というのはかならずあると思うので、それを理解し謙虚にならなくてはいけないと思った。

・大学を卒業してどんな病院、地域に関わることがあったとしても、自分か今なにをすべきなのか、どんな人間関係を築き、貢献していくことができるのかを考えていくことが大切なのだと思い、学生の内はまだ実感はありませんが、何となく自分が目指す理想の医師像が見えてきたような気がしました

・医療の崩壊は、その地域の崩壊だという言葉が印象的でした。医療とは患者1人1人を救うだけでなく、その背後にある地域全体を変えていく力があると思いました。自分が医師になってから、どこに務めるにせよ、地域の問題も考慮する視点を持っていたいと思いました。

・地域医療は地方で医療を行うことではなく、地域住民に医療を提供すべくその土台を築くとともに、専門科にとらわれずに臨機応変な診療をしていくことが必要だと学んだ。都会だから田舎だからといって、医療の本質が変わるわけではなく、地域住民に最も密接に関わる医療現場がどこであれ地域医療なのだと考える。

・医師の働き場所は、個々人に任されているが、全ての人に平等な医療を与えるために頑張る使命も我々にはあると感じました。全人的に治療ができる
うに診療科の枠にとらわれず学んでいきたいと感じました。

・これまでの3回の講義の中で、日本の未来の医療はいずれ地域医療に収れんしていくと感じたので
この医師像が日本の未来で求められる医師像であるのかなと思いました。本当に専門性を極めるのでなければ、あらゆる疾患を診て、患者さん、その家族、他の医療従事者と上手にコミュニケーションをとれる医師、規則や前提にとらわれるのでなく、なるべく多くの人の幸せを考えて医療を提供できる医師になりたいと感じました

・今の日本には中途半端なスペシャリストが増えすぎてしまっているということ。専門医という制度はできたが、その制度は本当の意味でのスペシャリストを生みだしているのか、というのは私も疑問に思っていますし、自分はジェネシャリストまたは究極のスペシャリストを目指したいなぁと強く思いました。