活動報告

「第四回医師・医学生に聞く」が開催されました。

3月6日(日)に信州大学医学部附属病院外来棟中会議室にて、「第4回医師・医学生に聞く」が開催されました。医学科進学を目指す高校生26名と信州大学医学部医学科県内枠推薦入試合格者19名が参加しました。また、信州大学医学部医学科の学生26名も協力参加しましたが、学生にとっても大変貴重な学びの機会となりました。

第一部では、信州大学先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所の矢崎正英先生とJA長野厚生連佐久総合病院地域ケア科の小松裕和先生にそれぞれ「高校を卒業してから現在まで」「これからの地域医療~地域につながりを処方する~」と題してのご講演をお願いしました。

矢崎先生には、まず、専門である神経内科と神経疾患、特に蛋白異常の難病である家族性アミロイドポリニューロパチーの研究と臨床を中心にお話しいただきました。以下要点として①医師の仕事は常に勉強にあり、その勉強の一つとして患者さんのために役立つ医学研究がある。②中学校や高校で学んだことは、医師となった現在でも大変役に立っている。このため今の勉強を大事にして欲しい。③様々な研究成果を世界に発信するためには英語で論文を書く必要があるが、科学論文は小説とは異なり、論理的記述が求められる。このためできるだけ平易な英語を使う必要があり、この点において中学~高校の英語力で十分完成することができる。

小松先生には、現在の佐久総合病院地域ケア科での在宅医療の取り組みとつながりの重要性についてお話しいただきました。以下要点です。①様々な対話や体験を通じての組織や人のつながりづくりが、地域に根差した保健予防活動の基礎であり、これが地域住民の意識と行動を変えるに至り、佐久地域の健康長寿に寄与している。②つながりを通じて感情は伝播する。つながりがあれば幸せの感情は伝播し良い影響を他人・社会に及ぼす。一方、社会的つながりの欠如は、あるメタ解析の結果によると1日15本以上の喫煙より死亡に影響を及ぼすとされる。③丁寧で心を込めた看取りを行うことは、地域の死生観・文化を作ることにつながる。このような記憶に残る医療を実践することは、地域住民がつながりの中に思い出を残していくことであり、同時に地域住民が健康に良い影響を及ぼすと考えられる医療とのつながりを構築することである。④在宅医療では、病気あるいは障害を有してつながりが減っている患者さんのつながりを再び作ることが重要となる。そして、このつながりに基づいた医療の実践は地域づくりそのものである。

第二部では、1年生~5年生までの医学科学生、矢崎先生と小松先生を交え、8グループに分かれクロストーク・グループディスカッションを行いました。以下が参加者のクロストークに関する感想の抜粋です。

・大学生活で不安だったことをたくさん聞きことができました。

・モチベーションが上がる機会でした。

・様々な疑問点が解決できました。

・深い考えを持っていて堂々と語る医師・医学生のみなさんの姿に刺激を受けました。

・医学部に入るという夢に向かってもっと頑張って行こうという気持ちになることができました。

・良い意味で医学生の方々のイメージが崩れました。