活動報告

「第2回 軽井沢セミナー 」~プロフェッショナリズムを学ぶ~が開催されました

「医師のプロフェッショナリズム」をテーマとした第二回軽井沢セミナーが平成28年3月12日~13日に軽井沢のホテル鹿島の森にて開催されました。3名の初期研修医と30名の医学生が参加しました。また、松本市立病院 高木洋行先生、昭和伊南総合病院 森川明男先生、佐久総合病院付属小海診療所 由井和也先生、伊那市国保美和診療所 岡部竜吾先生、小林理恵子師長、信州大学医学部附属病院卒後臨床研修センター 増田雄一先生にも協力参加いただきました。

1日目は、アイスブレーキングの後に、長野市出身で、現役時代にはアジアチャンピオン、北京オリンピック日本代表、全日本選手権優勝など素晴らしい活躍をされた元自転車プロロードレーサーで、また、14年前にお母さまへの生体肝移植の生体ドナーとして手術を受けている宮澤崇史さんを講師に迎えたナイトセッションで幕を開け、その後の大学と学年の垣根を越えた交流ができた深夜までの懇親会で終了しました。

2日目は、由井先生が担当された「朝イチ・からだの体操あたまの体操」と題したモーニングセッションの全員での農民体操に始まりました。国立病院機構東京医療センターの尾藤誠司先生による「どんな医者になりたいか?」と題しての基調講演では、ヒポクラテスの誓いからこれまでの従来の医療専門職のプロフェッショナリズムと、もはやヒポクラテスではいられない21世紀新医師宣言プロジェクトによる私の新医師宣言を中心にお話しいただきました。続いて漫画「ブラックジャックによろしく」第7巻の一節をもとに、6グループに分かれて、「医療現場でのプロフェッショナリズムを考える」と題してのワークショップを行いました。2日目最後のプログラムとしての、岡部先生、高木先生、小林師長、森川先生をパネリストとしたパネルディスカッションでは、それぞれの立場からの専門職としての思い、矜持をお話しいただきました。

以下が参加者の主な感想です。

1)宮澤崇史さんナイトセッション

・これから生きていく上で意識すべきことを知ることができたと思います。・結果に裏打ちされた講演だったので大いに得るものがありました。・困難な出来事に直面した際にどのような精神状態で乗り越えるのか聞くことができてよかった。

2)モーニングセッション

・目が覚めるような内容でした。・農民体操を実際に体験することができたよかったです。・由井先生の体操の後のお話しが、医師として歩んでいく道を考える上でとても参考になると思いました。

3) 基調講演「どんな医者になりたいか?」

・時代の変化とともに行動規範も変わるという考えもしない視点を得られました。・社会に求められる医師像について画認識することができた。・自分のモヤモヤした思いを具体化できた。

・どのようの心持でどのようにすれば"良い医師"となるのか自分がどのように将来医師として在るべきなのかを考えることができた。・新医師宣言が魅力的だった。

4)ワークショップ

・漫画の場面を通じて「新医師宣言」の実行の具体例について考えることができた。・漫画を題材にされていて、グループワークがとてもしやすかった。・漫画を通じて、医師のあるべき姿およびあってはならない姿について、他者の意見も聞きながら深く考えることができた。・共通の漫画を下敷きに対話することは、新鮮だったが、想像以上に深い話題になり、非常に考えさせられた。ファシリテータもよかった。

5)パネルディスカッション

・20年、30年医師として働かれている各先生方の生き様も伺えて、モチベーションが上がりました。・様々な先生の意見を聴くことができて、これからの自分の成長にためになった。・様々な問題に対し、先生方も悩み続けていることが分かり、もやもやすると同時に少し安心した。・素晴らしい先生ばかりだと感じた。お話の内容をもう一度咀嚼し直したい。

良医とは何か、理想の医師とは、医師の務めとは何か、を考えさせられる2日間でした。最後にクロージングリマークでの岡部先生の発表から以下を引用します。

「病人の診療に際し、"ただひたすらに真心を尽くすこと"が医師の務めであり、同時に医術上達の秘訣である。」(総合診療 vol26 3 2016-3 古典に見る良医の姿 松田邦夫)