長野県医学生修学資金貸与の皆さんへお知らせ

2023年9月23日(土)「地域枠セミナー(9月)」が開催されました

2023年9月23日(土・祝)に、獨協医科大学総合診療科非常勤講師・ミルキク代表の森永康平先生を講師にお迎えして「対話型アート鑑賞」をテーマに地域枠セミナー(9月~12月は高校生も参加)を開催しました。地域枠学生31名と高校生15名が参加しました。

対話型アート鑑賞とは芸術作品などを個人またはグループで共有し意見や感想を交換しながら鑑賞する活動です。参加者は自分の視点を他の人と共有し、他者の視点に触れることで新たな気づきや感動を得ることができ、これによりコミュニケーションスキルの向上や共感力の養成にも寄与するとされます。

森永先生は、医学教育にこの「対話型アート鑑賞」を導入し、幅広く実践されています。ご講演では、今後の医学教育では、物事を眼にしたときの自分の気づき、心の繊細な動きを無視せず感じ取り言葉にできる力、早急な結論、過激な意見に飛びつかず答えの出ない事態に耐え、考え続ける力、の醸成が必要であり、アートをきっかけに、観る力・考える力を愉しみながら自ら豊かに深めていく姿勢を身に着けてほしい、と強調されました。

以下が参加者の感想の抜粋です。

・一見まるで関係のないように感じる医学と芸術が、注意深く観察し、考察するという点で似ていることを知れて、興味深かったです。

・普段目にしているものは、見方を変えればもっと多くのことに気づけるものだと分かった。また、最善の判断の根底には洗練された観察が必要なのかもしれないと思った。普段からもっと視点を動かしてさまざまな情報をキャッチしていきたい。また、絵画や音楽などの歴史ある文化にもっと触れて自分の観察眼を磨いていきたい。

・講義を聞くまで、医療と芸術が結びついておらず、今日のセミナーでもどんなことが体験できるのか想像できないでいた。セミナーを通して、患者さんの様子を観察することと芸術作品を鑑賞することが、全体を注意深く見て背景を推察する必要がある点で似ていると気づき、勉強になった。また桃太郎の例が提示されたとき、大学の授業で症例がよく提示されるのは、文字だけの情報ではなく物語として捉えたほうが覚えやすいためという理由もあるのだろうかと思った。

・これまであまりアートについて触れる機会がなく、セミナー内で話されていたようにあかに苦手意識を持っていたので、アートの楽しみ方を知ることができたのは良かった。今度美術館に行ってみたいなと思った。隅々まで観察して考察するというと意識すればできるものなのだと思っていたが、訓練しないとなかなかできないと実際にやってみて実感した。観察力が医師として重要だというのにはすごく共感したので、今のうちから自分なりに訓練していきたいと思う。

・今回のご講演は、テーマを見た時に医学生が芸術鑑賞をする意味があるのだろうかと正直疑問に思っていた中での参加でしたが、これまでの地域枠の講義の中で全く違うアプローチから医学に必要な要素を発見することができました。先入観を持たずに一瞬の表情やありのまま目に映るものを観察して論理を組み立てていくという過程は、日頃から意識的な観察をして慣れている必要があると思います。病院実習などが始まる前の現段階で教えていただけたことは貴重であり、大切にしていきたい観点だと感じました。

・普段「当たり前、既に分かったこと」として扱っていた様々な事象にも、多くの学ぶべきことが未だ隠れていると分かった。これからはそのような末端の当たり前にも気を使って多くの気づきを得たい。また、先輩の方々との話であまり自分の意見を言うことができなかった。医者になる上で周りのことを気にせず自分の考えていることを率直に言う能力は大切になってくると思うので、内面をもっと強くしたいと感じた。