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信州大学工学部物質化学科
分子集合体化学研究室

研究内容

生体分子や高分子などのソフトマテリアルを用いた
分子集合体の作製、構造制御、及びその応用について研究しています。

次世代型の分離膜や人工細胞の創製を目指しています。

1.生体膜構造を模倣した水処理膜の開発(主担当:佐伯)

生体膜の選択的物質透過機構に着目し、生体模倣的手法(バイオミメティクス)を駆使した、平面脂質二分子膜を基本骨格とした水処理膜の開発を行っています。平面脂質二分子膜の形成方法や、チャネル形生体分子の機能発現について研究しています。従来の水処理膜より高い透水性の実現に成功しています。

本技術により、キレイな水をより低コストに得られるようになります。また、本技術は、水処理だけでなく、様々な分離プロセスやバイオセンサーなどへも応用できると期待されます。

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2.ポリアミド水処理膜の高機能化(主担当:佐伯)

膜基材の分子構造を制御したり、表面修飾を行う事で、高い分離性能や防汚性を有する水処理膜(逆浸透膜、ナノろ過膜、イオン交換膜)の開発を行っています。従来のポリアミドよりも1桁以上高い透水性を有するナノろ過膜の作製や、微生物に対する高い防汚性(耐バイオファウリング性)を有する逆浸透膜の作製に成功しています。

従来水処理膜が用いられてきた浄水の分野だけでなく、医薬品や化粧品、食品、その他様々な化学製品の製造における、高効率な分離プロセスの実現につながります。

ナノ材料フリーで実現した高透水性・高分離性能のナノろ過膜 (23年12月 信州大学見本市)

3.マイクロフルイディクスを用いた機能性材料の構築(主担当:佐伯)

マイクロ流体デバイスを用いた生体高分子の成形技術について研究しています。生体高分子からなるハイドロゲルファイバーの形成や、従来技術では難しかった非球形のゲル粒子の形成に成功しています。また、それらを鋳型とした巨大ベシクルの作製についても研究しています。

人工臓器などの医療材料や、医薬品、化粧品、機能性食品などへの応用につながります。その他、バイオセンサーやバイオアクチュエーター、ソフトロボットなどの次世代材料としても利用できると期待されます。

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油水界面を活用した天然高分子ハイドロゲル材料の精密加工(1min ver.)(22年1月 nano tech 2022)

4.エレクトロフォーメーション法による巨大ベシクルの形成と構造化(主担当:奥村)

脂質を塗布した電極に水中で電場印加することで巨大ベシクルを得るエレクトロフォーメーション法と、顕微鏡下で微細な操作を行うマイクロマニピュレーション法を用いた、巨大ベシクルの構造化手法について研究しています。多重小胞構造を有するオリゴベシキュラーベシクルの形成に成功しています。また、半導体加工技術(フォトリソグラフィー)を利用した、均一径巨大ベシクルの形成についても研究しています。

人工細胞やマイクロリアクター、バイオセンサー等への応用につながります。

*ジャイアントベシクル(GV)や巨大リポソーム(ジャイアントリポソーム; GL)とも呼ばれる。細胞膜と類似の構造を有するため、細胞膜モデル等に利用されている。

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上記の研究内容を含む講義資料をこちらのページで配布しています(要信大アカウント)。

出願済特許

 

外部資金

 

<進行中のプロジェクト>


<終了したプロジェクト>