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学部長メッセージ

学部長メッセージ

「社会のなかで自立することができる専門職業人」の養成

 信州大学経済学部は、2013年度で創設35周年を迎えました。
 1978年に創設された本学部は、この35年の間、他の国立大学に先駆けて入試改革、社会人講師による講義、社会人対象大学院の設置など数多くの試みを行ってきました。当初経済学科1学科で発足した本学部は、現在では経済学科と経済システム法学科の2学科を擁する体制へと発展し、関連する大学院も2つの専攻をもつに至っています。学部の卒業生は7360名、大学院修了生は253名を超え、就職率95%という社会科学系統の学部の中でも突出した就職実績のもと、民間・公務を問わず幅広い分野で活躍を続けています。

 この35年間、オイルショック、バブル景気、バブル崩壊後の長期不況、社会格差の拡大、少子高齢化の急速な進行、IT化、国際化と、日本の経済社会はかつてない大きな変化を経験してきました。高度経済成長を支えてきた経済社会の枠組み総体がいま大きく揺れ動き、どのように次代の社会を支える新しい仕組みを構想し、準備していくかが鋭く問われています。このような今日的状況の中で、経済学を中心とする社会諸科学の研究と教育の重要性はますます増しています。

 本学部は、このような時代の要請に応えるために、「大学から社会へ、社会から大学へ」のキーワードのもと、経済社会の現実的課題を発見し分析し、それに対応できる教育を実践してきました。私たちの目標は、学問を通じて、思考力、洞察力と倫理観と豊かな創造性をそなえた「社会の中で自立しうる個人」を育てることにあります。大事なことは、時代の変化に場当たり的に対応する小器用さではなく、いかなる変化にも対応することのできる、柔軟でしたたかな知的能力を自ら開発し身につけることです。

 そうした人材を育成するために、本学部では様々な仕組みを用意しています。新入生向けに少人数制のゼミナールを設け、そこで社会科学の基本的な研究メソッドを学び、2年次以降の専門演習での準備を行います。理論だけを抽象的に学ぶのではなく、現実の様々な実践との関係をリアルに学ぶことを目的として、学外の経営者や専門家・実務家による講義、卒業生による就職ガイダンス的な意義をも併せ持つ講義、インターンシップ科目やボランティア科目等バラエティに富んだ科目が設置されています。また、ゼミによっては積極的にキャンパス外に出て見学やヒアリング活動などを行っています。学外での勉学は、ビジネスや地域社会の広がりと繋がりを実感し、理論と実際、大学と社会の架け橋として多くの学生が活用しています。

 大学にとって重要なのは、カリキュラム、それを支える個々の教員、そして設備や施設であることは論を待ちません。しかし、キャンパスの立地もまた重要な要素といえるでしょう。経済学部のキャンパスは、松本城、浅間温泉などの多くの観光名所、そして東には美ヶ原の山々、西には北アルプスの山々に囲まれた自然豊かな環境に囲まれ、四季折々の自然を楽しみながら仲間と学ぶことができます。ここでの4年間は、他大学にはない貴重な時間を学生の皆さんに提供できるものと確信しています。


経済学部長  徳井 丞次

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