講演会 西田哲学とキリスト教 & 哲学・思想論フォーラムの報告

哲学・思想論フォーラム

1月24日(土)、人文ホールにて、哲学・思想論フォーラム(たぶん第2回)が開催されました。 このフォーラムでは、「総合発展演習」という科目で、グループ研究を行ってきた3年生各位が、それぞれの成果を発表しました。 「妊娠中絶の倫理-議論の分析と実例としての選択的中絶―」 「初期西田哲学の実在論について―『善の研究』を中心に」 「『狂気の歴史』に見る精神病と狂気の関連」 「グッドマンの記号論」 「「翻訳」をめぐるディヴィドソンの見解について」 「数学的発見における類比(アナロジー)の役割について」

石井砂母亜先生「西田哲学とキリスト教--西田哲学における愛の概念の展開」

同日、16:30-18:00には、ルーテル学院大学非常勤講師の石井砂母亜先生をお招きして、講演会が開催されました。 哲学・思想論分野の学生の他に、他分野の学生や教員の方々、市民の方々など、総勢50名ほどの聴衆とともに、西田幾多郎の哲学におけるキリスト教思想の役割、特に愛の概念がどのように受容され、深められていったのか、が論じられました。 西田幾多郎と言えば、日本を代表する哲学者であり、その研究も蓄積されているわけですが、彼を崇拝するお弟子の方々もいる中では、なかなか批判的な研究というものが生まれにくい土壌にあったようです。ごく最近、それらの呪縛から解き放たれ、ようやく中立的な視点から西田哲学を再評価する機運が生まれています。今回の「愛」のテーマもそうですが、これまで西田哲学に対して紋切型で語られてきたさまざまな言説を超えて、まったく新しい西田哲学の姿が現れようとしています。石井先生の講演(とその後の懇親会)から、そのような思いを強くした次第です。 聴講した学生のみなさんにも良い刺激を与えることができました。石井先生に感謝です。

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