お知らせ・報告

2017/09/17-23上海蘇州研修旅行について(6日目)

左:城隍庙周辺 右:城隍庙にてお経を上げる司祭たち

9/22の朝は08:15にホテルロビーに集合し、地下鉄で出発し豫园駅に向かいます。8:30頃到着しエスカレーターで地上に出ての移動中に、駅前近くで“溜鸟”(=小さな鳥籠で公園などに飼い鳥を連れ出し鳴き声の訓練をさせる)で歩いている人を見かけました。残念ながら籠に布カバーがかけられていて中の鳥を見ることはできませんでしたが、街の開発が進む中でも伝統的な鳥飼いスタイルがまだ残っていることが分かります。
豫園観光の前にすぐ近くにある道教のお寺・城隍庙に向かうと、午前の早い時間とあってかお経を上げる光景を目にすることができました。何人もの長い紺色司祭服姿の男性と臙脂色衣装を着込んだ楽団によるもので、中国人の李先生も初めて目にする光景とのこと。彼女が言うには道教より仏教っぽい印象を受けるようです。入場料を取る代わりに中国式長いお香が無料で配布されており、学生のOさんは現地中国人のしている作法を真似て四方に礼をして香を捧げていました。奥には十干十二支で六十体ある道教の神像が祀られていて、両目から手が突き出しているなど様々な異形の神の姿とその多さに学生たちは興味深く見入っていました。
09:30過ぎに豫园に向かい、11:00出口で再集合の約束をして観光を開始。まだ午前早めの時間であるため比較的空いており、狭い通路の移動も苦にならず東屋や回廊のベンチにのんびり腰を下ろして雰囲気を楽しむことができました。10:30古戯台で豫園お馴染みの陶器楽団演奏が始まるというので、自由行動している学生たちにも微信Wechatで呼びかけ観賞。この時間になると園内の観光客が徐々に増えだします。中に“开裆裤”=幼児用股割れズボンを履いている2歳ぐらいの男の子がいて、演奏観賞スペースの端っこで用を足しているなど、こういうところは日本ではない光景です。11:00になり豫園出口で学生たちと集合、すっかり混雑状態の豫園を退出しました。

左:豫園入場券にも画像がある“龙头” 中:上海一有名な食べ物と言っても過言でない南翔饅頭店の“小笼包” 下:豫園下町の宝玉店店先に提げられていた鳥籠

お昼には若干早いですが、混雑のピーク前に豫園界隈で最も有名な南翔饅頭店に入り二階で食事、学生一人一人が名物である小笼包を注文し食しました。超有名店とあって注文を合理的に捌くためプラスチックの色分けチップを利用している独特なスタイルです。味は先日の外灘近くの商店で買ったものと似た感じですが、所謂名物というのはそういうものでしょう。
名物も食したということで店を出て、混雑がすごいのでスリに気を付けるよう注意喚起をした上で、13:00南翔饅頭店前再集合とし豫園下町観光と買い物の自由行動としました。土産屋が軒を連ねる豫園下町ですが、中心部から離れるにつれ同じ品でも幾分安く値がつけられています。ホテルに帰ってから知ったことですが、学生のHさんが可愛いパンダの縫いぐるみを5元値切って買うことに成功したとのこと。酸奶=ドリンクヨーグルトをストローで飲みながら中心部から離れた通りをぶらついていると、宝玉を商う店先に白腰丝雀に似た鳥が一羽入っている小さな鳥籠が提げられていました。早朝には飼い主が籠をぶら下げて公園などに向かい“溜鸟”しているのでしょう。13:00南翔饅頭店前は午前中とは比較にならないとてつもない人混みでしたが、あれこれ土産物を買い込んだ学生たちと無事合流、再び地下鉄の豫园駅に向かいます。

左上:学内の日本庭園付近 右上:外宾楼ロビーにて説明 左下:文系図書館 右下:図書館閲覧室

地下鉄で桂林公园駅に向かいエスカレーターで地上に出ると、かなり郊外にあるため先程までの豫園下町とは全く違う開けた雰囲気です。そこから歩いて上海师范大学へ。予定より早い14:00頃到着したためキャンパス内に入って少し散策。凄く可愛い旗袍(チャイナドレス)風のミニワンピース姿をした目立つきれいな女の子がいたので何かと思ったら、大学広報のためでしょうか、男性女性カップル形式でかなり大がかりな撮影をしていました。学生の数名がトイレに行きたいというので、講義棟なら自由に出入り可能だろうと近くの棟に入ると、化学式が記されている掲示物から伺い見るに理学部らしい様子。Aさんがこの掲示はなんて書いてあるのですかと尋ねるので、“微藻”=クロレラ、“能量”=エネルギーといった単語からしてクロレラによる合成エネルギーについての研究紹介だろうと解説しました。化学記号は全世界共通ですが、“氢”=水素、“氧”=酸素のように元素の日本漢字表記と中国語表記は全く異なります。
待ち合わせの14:30になったため再び校門に戻ると、本日案内していただく蔡驎教授が既に待機していました。大学院生一名も同伴して、上海師範大学のキャンパス案内です。学内日本庭園とその寄贈者の記念碑や、立派なホテルと見紛う留学生用の外宾楼、中には入りませんでしたが学生寮周辺や大学附属病院などについても説明いただきました。昔は学生職員とも無料で大学附属病院が利用できたということですが、現在でも数元で登録すれば非常に安価で診察してもらえ、信頼性も高いということです。
一旦キャンパスを出て通りを渡り、向かいのキャンパス敷地に移動して大学図書館へ。文系の図書館と理系の図書館が分かれているということですが、今回は文系の大学院生以上が利用するという文科图书馆を案内いただきました。図書館長とスタッフ数名と挨拶をし、学生カードで管理されているロッカーや、伝統的設えが施されている閲覧室、そして古書籍展示室でスタッフの方がどんどん中国語で説明をしていくので、私が通訳をすることに。著者による親筆・写し・版木・木活字版・銅活字版の実物を添えた分類展示説明と、ガラスケース入りで当図書館の誇りである“国家珍贵古籍名录”に登録されている書籍について説明がなされ、図書館見学が終了。屋外に出て、案内いただいた蔡驎教授に松本から持参したお土産を手渡し、大学近くに美味しいパン屋がありますよとも説明をいただき16:30上师大見学が終了しました。

左上:博库书城外観 右上:博库书城1階の様子 左下:中国ではポピュラーな雪花啤酒 右下:再びの“一碗一筷”、“红烧羊肉砂锅”は残念ながら品切れ

この日予定されていた活動は終わりましたが、少々時間があるということで思い付きで大きい書店を目指すことにしました。桂林公园駅から宜山路駅に向かい、そこから20分ほど歩いて博库书城に到着。1階にはカフェスペースや雑貨販売もあるお洒落な雰囲気で、ジャンルによりフロア分けされた色々な書籍を見て回り、さすがに足が草臥れた頃再び地下鉄駅に向かい、18:00頃四平路駅に到着。
ホテルロビーに入り夕食のための待ち合わせ時間を取り決め、あれこれしていると「ロビーでお土産袋を見ませんでしたか?」とT君。ホテルに戻り、豫園界隈で買い物をした袋をロビーにちょっと置いておいたら見当たらなくなり、どうしようということです。「お土産袋」の単語が出てこないということで、私が代わりにフロント係女性に“请问,你看到这么大的纸袋子没有?红色的”と質問しました。すると放置されていたので保管しましたよとカウンターの奥から持って来てくれました。T君はフロント係さんに大いに感謝です。客と向き合っていない時は、スマホを弄っていたり従業員同士お喋りに興じていたりの緩い仕事態度が一般的ではありますが、ちゃんとツボを心得た仕事をしてくれていました。日本語の「お土産袋」といったフレーズ単位に拘ってしまうことで言えなくなってしまう中国語も、臨機応変に切り分けて自分が口にできる単語・表現に言い換えるコツを学生に会得させることが必要だなとこの件は私も勉強になりました。
夕食は昨晩と同じ“一碗一筷”へ。オーダー方法が分かりやすくてメニュー種類が豊富だったこともありますが、個人的に“红烧羊肉砂锅”をメニューで目にして気になっていていたためでもあります。しかし注文したところ、ややあって羊肉砂锅は店員から品切れとの回答。仕方ないので皆昨日注文したのとは違うものを選びオーダー。李先生は“鱼头豆腐砂锅”を注文、とても懐かしい中国の味だと綺麗に食べていました。最後の夜ということで雪花啤酒=雪花ビール、百威啤酒=バドワイザーも注文、未成年は除いた形で乾杯です。雪花啤酒は中国国産ビールの中でもポピュラーなものですが、アルコール度数2.5%未満でとても軽く飲みやすいものです。バドワイザー1瓶と雪花啤酒4瓶を空けて食事が済み、最後の夜が終了しました。

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