お知らせ・報告

20161213中国語サロン 地震とコンパス

地名略称を付箋でつけた≪军地两用汽车交通图册≫

この日の中国語サロンは市民開放授業受講者の方を含め10人参加となりました。
 
画像は参考のためサロンに持ち込んでいる中国地図帳に使いやすいよう付箋で地名の“简称”=略称を付したところ。中国の主要都市・省には1文字の略称があり、北京市→“京” 天津市→“津”などは憶えやすいですが、河北省→“冀” 山西省→“晋”のように、中国語非ネイティブにとっては学習が必要なものが多々あります。内蒙古自治区“蒙”や云南省“滇”や青海省“青”など、サロン参加者が地図を見ながらここを旅行してみたいなどと言っていたのですが、ネイティブのC先生が標高の高い云南や青海は今では特急列車が通じてすぐ行けて便利になったが、“高原反应强烈”な旅行者が少なくないと教えてくれました。日本語の「高山病」に相当する語ですが、高地に行くにも特急のない時代は時間をかけて移動をするので体を慣らすことができたが、特急が運行されるようになったことにより体が高地に慣れる前に到着してしまい肉体の不調を引き起こしてしまうのは皮肉なことです。
 
河北省“冀”のページを見たときネイティブ研究生のJさんが“唐山”を指して唐山地震が起きたところですと口にしました。日本人の特に若い世代にとっては1976年に発生した「唐山地震」を知らない人が多いでしょうが、中国人にとっては歴史に残る大地震であり、また映画にもなっていることから年若いJさんにとっても常識であるわけです。
そこから四川地震(2008年)の話になり、地図を見ながら震源地“汶川”の位置を確認していたなかで、安徽省出身であるJさんが「地震が起きたとき中学校の数学の授業中で、すごく揺れて思わず“圆规”を抱える格好になって胸に刺さりそうで危なかった」という当時の記憶を話してくれました。四川省と安徽省は、重慶市・河南省・湖北省を挟んで位置していて相当距離があるのですが、それでも大きな揺れがあったということは汶川の地震がそれだけ大規模だったということを示しています。ちなみに“圆规”は「コンパス」を意味する単語で、Jさんも今まで知ることが無かった日本語の単語を覚えるきっかけとなりました。
 

そこから中国における中学生活の話となり、日本の中学校と大きく違う点は昼寝の時間があること、部活動や体育授業が少ないことだと教えてくれました。食堂で昼食を済ませるとそれぞれ学生寮(中国では学校に寮が併設しているのが一般)に戻って昼寝、午後2時から授業が再開されるとのこと。成長ホルモンの分泌からしても理に適っているし、日本の学校のように午後授業で居眠りすることを防げる利点もあります。
部活動や体育授業については、近年では多少は増えているとのことですが、サロンに参加している中国語ネイティブの人たちが中学生時代には部活動といったものはほとんど無し、体育授業も週に1回だけ、それも最初教師が点呼をとってあとはフリーな形になって身を入れて教えられることはあまりなかったとのこと(学校にもよるのでしょうが)。中国の世界的アスリートは数多くいますがそういった人々は幼少期から選別され体育エリートとして育成された存在であり、一般の中学生にとって体育授業は、日本人が考える以上に距離があるもののようです。ただ体育授業でも試験はあり、全教科と合計した点数が進学に影響するので、そこは生徒にとって大事なわけです。Jさんの学校では4つの項目“800米跑”“跳远”“扔铅球”“前屈”=800m走・幅跳び・砲丸投げ・前屈が試験対象だったとのこと。日本の中学校では陸上部でもない生徒に砲丸投げをやらせることは少数で、ソフトボール投げが一般的。ここにも国柄の違いが感じられます。
ちなみに中国の大学にも体育授業があり、卓球やバドミントンのように日本の大学と共通している項目もありますが、“太极拳”に“瑜珈”=ヨガもあるとのこと。“瑜珈”の体育授業は特に人気が高く、受講者の抽選まであるとのことです。
 
◎中国語サロンは毎週火曜昼休み、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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