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イベント・公開講座詳細

イベント・公開講座

~8月4日 第7回信大夏の森林教室(農学部)参加者募集 

08年07月25日

平成20年度信州大学農学部公開講座
第7回 信大夏の林業教室  -森の機能を考える-

1999年に第1回「信大夏の林業教室」が始まり、今年で7回目を迎えます。この間、高校生の参加もあれば、70歳代のご夫婦も元気に来校されました。 参加者の 主力はやはり森林・林業に何らかの関わりを持つ人が多いのですが、主婦やご年輩の方、一般サラリーマンも結構多いことに驚かされます。
フィールドワーク中心のこの講座は、老若男女を問わず、職業を問わず、爽やかな信州の風を感じながら、新たな知識・技術を習得する絶好の場となっています。また満天の星空の下で、焚き火を囲み、遅くまで続く自由交流も魅力の一つであります。
今年の「信大夏の林業教室」は、地球環境を意識しながら「森の機能を知る」ことを主眼におきました。生物多様性の問題から、森林の二酸化炭素吸収の仕組み、水や土を保全する機能の最新科学、木材の性質等を考えてみたいと思います。
複雑に絡む森林・林業と地域社会の問題、森林の経済的価値と公益的価値の両者の調和および向上をどう実現するか、わが国における持続可能な森林経営の概 念 をどう捉えるべきか、材質と加工の基本等々、林業に関するさまざまな課題を念頭に置きながら、第7回「信大夏の林業教室」を開講したいと思っています。  関心ある方々の参加を心よりお待ちしております。


主 催: 信州大学農学部森林科学科

時 期: 平成20年8月11日(月)~13日(水)

場 所: 信州大学農学部13番講義室(集合場所)、手良沢山演習林、総合実験実習棟

定 員: 20名程度(先着順)

申込〆切:平成20年8月4日(月)必着


【申込方法】
申込方法は、申込用紙を
(1)直接窓口に持参
(2)Faxで
(3)e-mailで
(4)郵送
のいずれかの方法でお願いします。
なお、申し込みの際は電話での事前予約が必要になります。
申し込みの締め切りは、8月4日(月)必着です。

内容問合せ先:
信州大学農学部学務係 竹松 豊成
TEL:0265-77-1309 FAX:0265-77-1313
E-MAIL: Toyonari_Takematsu@su-oasis.jm.shinshu-u.ac.jp

申込先: 信州大学農学部学務係「公開講座担当」
〒399-4598 長野県上伊那郡南箕輪村8304
TEL:0265-77-1309 FAX:0265-77-1313
(月~金 午前8:30~午後5:00)

受講料: 16,000円 (受講料、宿泊料、食費、諸雑費の全てを含みます。)
当日、会場の受付にてお支払い下さい。
※宿泊費・食費はできるだけお釣りのないようご用意願います。

【当日の準備】
足回りの装備(軽登山靴、地下足袋、長靴、安全靴、トレッキングシューズ等)、軍手、手ぬぐい、長袖・長ズボン、帽子、雨具(傘とカッパ)、熱中症対策として水等の飲物の携帯、筆記具等をご持参下さい。

【プログラム】

8月11日(月)
13:00~13:30開講式
13:30~14:00森林の諸機能に関する概要説明(植木)
14:00~15:30身近な緑から生物多様性を考える(大窪・上原)
15:30~16:00(手良沢山演習林に移動)
16:00~17:00大学演習林の概要と見学(植木)
18:00~シャワー・夕食
8月12日(火)
9:00~11:30森林の二酸化炭素吸収と森の整備(小林・植木)
13:00~16:00暮らしを守る森林(北原・小野)
16:00~18:00風呂
18:00~ 夕食と懇親会
8月13日(水)
8:30~ 9:10(農学部総合実験実習棟へ移動)
9:10~11:30木材の伸縮機能を考える(徳本・武田)
11:30~11:40アンケート
11:40~12:00閉講式




【講義の概要】

「森林の諸機能に関する概要説明」
森林は水源涵養機能、土砂崩壊防止機能、野生鳥獣保護機能、保険休養機能など実に様々な機能を持っています。それら諸機能のうちの特に注目度の高い重要な機能について、その考え方や評価、山づくりとの関わりについて概略的に説明します。

「身近な緑から生物多様性を考える」
最近、マスコミなどでよく耳にする「生物多様性」とは一体何でしょうか?農学部キャンパス内の身近な緑を散策しながら,森林や草原が有する生物多様性機能、これからの課題について紹介していきます。

「森林の二酸化炭素吸収と森の整備」
森林の二酸化炭素吸収の仕組みと森林整備の関係について,講義と実習で学びます。間伐を行うと森林の二酸化炭素吸収量はどのように変化するのだろうか?森 林の二酸化炭素吸収能力を高いままに維持するには,どのように間伐すれば良いのだろうか?講義で学んだ理論に基づいて,実際に間伐を行います。

「暮らしを守る森林」
森林は、安定的でおいしい水を私たちに供給してくれます。また、森林があることにより、表土を守り侵食を著しく少なくしてくれます。さらに森林の根は、土 と土を繋ぎ止める役割をもち、山崩れを軽減してくれます。これらの水や土を保全する機能は、数ある公益的機能の中でも非常に重要な機能です。これらの機能 について、林内でいくつかの実験をしながらお話しします。

「木材の伸縮機能を考える」
最近では、スギ材など軟質針葉樹材の表層を圧縮したり、再びそれを回復させたりして、さまざまな用途に利用されています。圧縮釘や木ダボ等もその一例で す。ここでは、手良沢山産のヒノキ材を用いて横圧縮の大変形実験を行うとともに、原寸の1/3程度まで大圧縮変形をおこない乾燥固定させた木材の回復実験 を行います。


【講 師】

氏 名 専門分野 主 な 研 究 テ ー マ
北原 曜 治  山 森林の公益的機能の定量評価
小野 裕 森林水文 森林の生育・伐採に伴う土壌の物理性の変化
大窪 久美子 緑地生態 生物多様性の維持と景観・保全緑地
上原 三知 環境保全計画| 自然資源の保全・活用による持続可能な地域計画
小林 元 植物生理 樹木の生長と環境
植木 達人 森林経営 森林資源の有効利用と持続可能な森林経営
徳本 守彦 木材利用 含水率が変化する過程の木材のクリープ
武田 孝志 木材利用 木質材料・木質構造