だいちのかけらプロジェクト

だいちのかけらプロジェクト信州大学教育学部 竹下研究室

長野県の石ころ図鑑

河原の⽯ころをよ〜く⾒てみよう!

かたい岩⽯でできた⼭も、⾵⾬でけずられたり、くずれたりします。すると、⼭のかけら(岩⽯の破⽚)が流れる⽔に運ばれ、広い範囲から河原に集まってきます。ですから河原は、⼭をつくっている岩⽯を簡単に、しかもたくさんの種類を⼀気に観察することができる便利な場所なのです。
河原の⽯ころは、川ごとに違いがあります。その例として、伊那⾕を流れる天⻯川の⽀流、中⽥切川と三峰川の河原を⾒てみましょう。中⽥切川の河原は⽩っぽいのに、三峰川の河原は緑っぽく⾒えます。これは、中⽥切川にはごま塩状の⽩い⽯(花崗岩や⽚⿇岩)がたくさんあるのに対して、三峰川には緑⾊の⽯(緑⾊岩や結晶⽚岩)が多いためです。
中⽥切川の上流には中央アルプス(⽊曽⼭脈)が、三峰川の上流には南アルプス(⾚⽯⼭脈)があります。同じように「アルプス」と呼ばれ、伊那⾕をはさんで近所の⼭脈同⼠ですが、⼭をつくる岩⽯の種類がちがうのです。このことを⼀⽬で分かるようにしたものが地質図です。どの地域にどんな岩⽯や地層があるのかを丹念に調べ、⾊分けした図です。中央アルプスと南アルプスを⾒ると、⾊が全然ちがいます。
さらに、⻑野県全体を⾒ても、とてもカラフルで、⻑野県の地質は変化に富むことがわかります。そこで,なる べくたくさんの種類の岩⽯を採取することを⽬指して、県内の9河川で⽯ころを採取して標本をつくりました。ここでは、各川の⽯ころにどんな特徴があるのかを紹介します。

中⽥切川の河原の⽯ころ
中⽥切川の河原の⽯ころ
三峰川の河原の⽯ころ
三峰川の河原の⽯ころ
中⽥切川と三峰川の上流の地質図(⻑野県デジタル地質図2015を使⽤して作成)
中⽥切川と三峰川の上流の地質図(⻑野県デジタル地質図2015を使⽤して作成)

パノラマ写真及び地質図による⽐較

中⽥切川
中⽥切川(中央よりやや左の川)と中央アルプス(陣⾺形⼭より)
中⽥切川(中央よりやや左の川)と中央アルプス
(陣⾺形⼭より)
⽴体地質図の例:Google Earthを使⽤して陣⾺形⼭から望む景⾊に⻑野県デジタル地質図2015を重ね合わせた
⽴体地質図の例:Google Earthを使⽤して陣⾺形⼭から望む景⾊に⻑野県デジタル地質図2015を重ね合わせた
三峰川
三峰川と南アルプス(伊那スキーリゾートより)
三峰川と南アルプス(伊那スキーリゾートより)

⽴体地質図の例:Google Earthを使⽤して伊那スキーリゾートから望む景⾊に⻑野県デジタル地質図2015を重ね合わせた
⽴体地質図の例:Google Earthを使⽤して伊那スキーリゾートから望む景⾊に⻑野県デジタル地質図2015を重ね合わせた

⻑野県の地質図全体

⻑野県の地質図全体