信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 中高年者の体づくりのための基礎的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.1 Vol.1

 中高年者の体力で持久力は老化が早く起こる11)ために,その体づくりに持久力を増大させるトレーニングがしばしば用いられている.一方,中高年者は,運動強度および時間を増大させると,循環血液需要の増大に対して,心拍数の増加ではなく血圧冗進によって応答する9)という.したがって,大なり小なりに動脈硬化が進行してきている中高年者にとって,比較的安全な運動強度を選ぶとすると,血圧を余り上げない中等度以下の運動になりがちである.しかし,一般に,十分なトレーニング効果が期侍できるのは,最大能力の60〜70%以上と,比較的運動強度が高いところで認められている.そのために,トレーニング効果への期待とトレーニング中の事故に対する不安とは,表裏一体の感さえいだかせる.
 そこで,著者たちは,だれにでも実施し得る中等度運動のトレーニング効果を検討する目的で,中年までほとんど運動を実施したことのないラットに運動を負荷し続け,高年齢時に走行能力,筋線維の減数,萎縮の防止と,運動による枯渇筋グリコーゲンの回復力でその影響を観察した.

「デサントスポーツ科学」第1巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 原田邦彦, 時岡醇, 酒井敏夫
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

心拍数トレーニング効果筋線維枯渇筋グリコーゲン