信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 無侵襲的定量的血流測定法による頸動脈血流の運動処方的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.2 Vol.2

 はじめに

 頚動脈血流の動態を知ることは,脳循環系の運動負荷応答特性の解析に重要であるが,運動による呼吸循環系に関する研究は多くなされているけれども,血流情報による研究は少ない.血流の応答に関しては,非観血的計測法がなく,十分な測定もなされなかった.わずかに,観血的なN₂O法10) RI法2)などで測定されているに過ぎない.しかし,それら観血法は,数分間の平均的な循環時間計測法であるため,脳循環系の比較的早い応答の計測には不適当である.また,原理的に侵襲的計測であるため,健常時の生理的応答とは断じ難い.
 我々の研究グループは,既に総頚動脈血流量の無侵襲連続計測の可能な超音波定量的血流量測定装置(QFM)を開発した5).QFMは,血流量,血流速,血管径の波形および平均,最大,最小値を表示記録するものである.
 本研究ではQFMを用い,脳循環系入力端の総頚動脈血流量,血流速に関し,運動負荷前後の経時的変化を測定した.また,同時に上腕動脈血圧を測定し,血圧,血流量関係から脳循環抵抗として算出した.これらの測定結果は,運動処方上,運動負荷応答解析の基礎データと考えられるので報告する.

「デサントスポーツ科学」第2巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 池田道明, 古幡博, 管野亮一
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

頚動脈血流観血法超音波定量的血流量測定装置(QFM)運動負荷