信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 健康指標としての身体組成の特色

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.2 Vol.2

 緒言

 肥満の健康に及ぼす害についての一般人の認識の初めは,ニューヨーク・メトロポリタン生命による,生命保険の掛金の率を高くする必要があるという政策からであろう.事実,肥満者は正常体重者に比較して死亡率が高く,肥満の程度を増すほど著しいことが知られている.肥満は,栄養過多の一つの病理現象として増加しており,糖尿病,虚血性心疾患,高血圧症,脂肪肝などの大きな要因となっている.一方,肥満はこのような栄養的要因ばかりでなく,現代社会の労働条件の変化,あるいは生活環境の変化にも影響されている.すなわち,人々の生活は以前に比較して静的になり,運動不足の現象を示している,そのため,食生活のエネルギー出納がバランスを崩し,その余剰が脂肪として蓄積する傾向にある.従って,肥満は過体重によって身体作業能を低下させ,人体循環系生理に対して悪影響を及ぼしているものと考えられる.
 本研究は,肥満の程度が同一である児童と成人に関して,有酸素的身体作業能と血液中のコレステロール値などがどのような影響をうけているかについて検討し,肥満児童と成人肥満者間の差を明らかにすることを目的としている.

「デサントスポーツ科学」第2巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小室史恵*1, 小宮秀一*1, 進藤宗洋*2
大学・機関名 *1 九州大学 健康科学センター, *2 福岡大学

キーワード

肥満身体作業能人体循環系生理有酸素的身体作業コレステロール値