信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 衣服材料の水分・熱のトランスポート特性 ―衣服内気候シミュレーション装置試作―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.3 Vol.3

 衣服の快・不快に関わる着用感は,皮膚と衣服の間に形成される微少空間の温度と湿度とに密接な関係がある.この衣服内気候は,衣服の用途ごとに,環境一衣服一人体の系において把握され適正値に設定されるべきである.しかしながら,まだ満足すべき測定装置がなく,衣服設計の盲点になっていた.
 本研究はこの点に着目し,衣服内気候に関与する条件が任意に選択でき,しかも,温度・湿度が,同時に過渡領域も含めて,測定できる装置を試作した.ついで,本装置の性能を,市販ソックスを対象試料として検討した.
 結果を要約すると,以下のようになる.
 1) 目的どおり,かなり広般な領域にわたって,衣服内気侯が設定できることが確かめられた.そして,着用による発汗量と,本装置による発汗対応量としての試料含水量とはよく一致した.
 2) 本装置で得られる温度・湿度データと試料のソフトネス(圧縮率)とで,着用感が説明できることが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第3巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 内山生,土田和義
大学・機関名 京都工芸繊維大学

キーワード

着用感衣服内気候衣服設計