信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 自律神経系と随意運動の関係について

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.4 Vol.4

 緒言

 交感神経系の緊張により運動系の活動性は高進すると考えられている.
 Urbscheitら(1970)は,局所的冷却に伴い,誘発筋電図のH波の振幅の増大を観察している1).局所的冷却により交感神経系の緊張が高まり,その結果,脊髄α運動神経の活動性が高進したと考察した.一方,上岡(1943)は,副交感神経系が優位にある夜間に膝蓋臓反射が高進することを報告した2).
 以上の報告は,自律神経系の緊張が運動系の活動性に影響を及ぼしていることを示唆している.
 そこで,特に副交感神経系緊張状態でのヒト単一運動単位の活動性および単シナプス反射を検討した.Aschnerの眼球圧迫は本来迷走神経系の興奮を示すものであるが,その影響は副交感神経系緊張にも及んでいると考えられる.
 そこで,ヒト単一運動単位の活動性の指標として①発火閾値,②一定張力保持時の放電頻度を,単シナプス反射の指標として①膝蓋腱反射の反応角,②誘発筋電図のH波の振幅を選び,これらの指標についてAschnerの眼球圧迫時における変化について観察した.

「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小野寺昇*1, 森本茂*1, 春日規克*2
大学・機関名 *1 東京慈恵会医科大学, *2 愛知教育大学

キーワード

交感神経系Aschnerの眼球圧迫膝蓋腱反射脊髄α運動ニューロン