有酸素及び無酸素的作業能の性差に関する研究 ―同一performanceを持つ男女の比較―
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5】
要旨
performanceの等しい男女に400mおよび3,000m疾走を行わせ,乳酸,グリセロール,アドレナリンおよびノルアドレナリンから無酸素および有酸素的運動でのエネルギー供給機構の性差を検討した.400m疾走での男子の平均スピードは5.3±0.3sm・sec⁻¹,女子では5.5±0.2m・sec⁻¹,3,000mであり,両疾走者とも平均スピードにおいて性差は認められなかった.
乳酸濃度は,400m疾走および3,000m疾走後,ともに男子の方が少し高い値を示したが,有意な差ではなかった.また,400m疾走において,乳酸濃度は平均スピードと高い相関関係が認められた(男子はr=0.76,p<0.02,女子はr=0.85,p<0.02).
グリセロール濃度も乳酸同様,性差は認められなかった.3,000m疾走において,グリセロール濃度は平均スピードとの間にr=0.62(p<0.05)と,有意な相関関係が認められた.
カテコールアミンも400mおよび3,000m疾走後に有意な性差は認められなかった.400m疾走後,アドレナリンは,乳酸と密接な関係が認められた(r=0.62,p<0.02).
以上の結果から,perfbrmanceの等しい男女の無酸素的運動および有酸素的運動に対するエネルギー供給機構は,少なくとも質的には同じであると言えよう.
「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
performanceの等しい男女に400mおよび3,000m疾走を行わせ,乳酸,グリセロール,アドレナリンおよびノルアドレナリンから無酸素および有酸素的運動でのエネルギー供給機構の性差を検討した.400m疾走での男子の平均スピードは5.3±0.3sm・sec⁻¹,女子では5.5±0.2m・sec⁻¹,3,000mであり,両疾走者とも平均スピードにおいて性差は認められなかった.
乳酸濃度は,400m疾走および3,000m疾走後,ともに男子の方が少し高い値を示したが,有意な差ではなかった.また,400m疾走において,乳酸濃度は平均スピードと高い相関関係が認められた(男子はr=0.76,p<0.02,女子はr=0.85,p<0.02).
グリセロール濃度も乳酸同様,性差は認められなかった.3,000m疾走において,グリセロール濃度は平均スピードとの間にr=0.62(p<0.05)と,有意な相関関係が認められた.
カテコールアミンも400mおよび3,000m疾走後に有意な性差は認められなかった.400m疾走後,アドレナリンは,乳酸と密接な関係が認められた(r=0.62,p<0.02).
以上の結果から,perfbrmanceの等しい男女の無酸素的運動および有酸素的運動に対するエネルギー供給機構は,少なくとも質的には同じであると言えよう.
「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 大桑哲男, 宇津野年一 |
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大学・機関名 | 名古屋工業大学 |
キーワード