信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動の影響の残存に関する生化学的検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5

 緒言

 運動の影響が翌日以降にも残ることが知られているが,その影響がどの位の期間残っているのかは明らかにされていない.久し振りにやる運動の翌日や翌々日に筋肉痛が生じることがあるが,それから2週間程経過して(この間はトレーニングを全く行なっていない),同様な運動を行なった際には筋肉痛が生じなかったり,生じてもその程度が軽減されたりすることはしばしば経験することである.
 T.Hettinger 7)の筋力および筋のトレーニング効果についての研究では,2週に1度のトレーニングでは全く効果がないとしているが,運動が複雑化しているにせよ,筋肉痛などの例にみられるように効果とは言えないまでも,影響は2週間以上も残っていると考えられる.
 本研究では,この運動の影響の残存を知る手がかりとして,多くの研究者6,9,13,14)によって報告されている運動後の血清酵素活性の上昇に注目した.トレーニングによって運動後の上昇は抑えられるという報告8,10)に従えば,運動後の上昇が小さい時には何らかの運動の影響が残っていると判断してよいと考えたからである.そこで,運動の影響が血清酵素活性の変動にどのように反映されるかを確認し,影響の残存を知る指標として使えるか否かを検討することを目的とした.

「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 野坂和則, 七類誠, 朽木勤, 文谷知明
大学・機関名 東京学芸大学

キーワード

運動の影響血清酵素活性CK(Creatine Kinase)筋肉痛